国内 2025.11.21

終盤迎え、熱戦続く。関東医歯薬大学リーグ

[ 見明亨徳 ]
終盤迎え、熱戦続く。関東医歯薬大学リーグ
赤ジャージー、黒パンツの帝京大医・薬学部が日大松戸歯・日本歯大混成を下し2勝目を挙げた(筆者撮影)

 11月16日、中央線東小金井駅から徒歩30秒にある「日本歯科大グランド」を訪れた。前の夜、グランドと道路1本隔てた焼き鳥屋でラグビー解説者と食事をしていたら「明日、そこのグランドで日本歯科大ラグビー部の試合がある。(教え子、解説者がスポットコーチを担当している)函館ラ・サール高卒の2人がメンバーにいる」とのこと。

 16日朝まで大学リーグ戦の他の試合に行くか迷いつつも歯科大グラウンドへ。「第73回関東医歯薬大学ラグビーリーグ」2試合を取材した。試合は30分ハーフ、スクラムも1.5メートル以上押せないという高校と同じローカルルールだ。

中央線東小金井駅から徒歩30秒の立地「日本歯科大グランド」が会場

 メインは午後2時30分キックオフの2部「帝京大医・薬学部✕日本大松戸歯学部・日本歯科大混成」。赤いジャージーに黒いパンツ、秩父宮でお馴染みのカラーを身にまとう帝京。指導者は対抗戦のライバル、早稲田大卒(早稲田実業でラグビー部。大学時代はトップリーグのスタッフを経験した)の井坂航ヘッドコーチだ。

 一方日大松戸には早実から早大ラグビー部(早大3年目に退部)、プロップとして戦った永井隆平(6年)に、函館ラ・サール出身のFL志賀伸之介(3年)とリザーブ25伊藤彰悟(1年)がいる。

 5チームが競う2部、帝京はここまで2勝1敗、松戸が2勝1分けと負けなし。優勝を狙える位置だ。試合は、帝京が積極的に仕掛けた。前半12分、22メートル内の右ラインアウトから継続してFL吉田歩夢(3年)がトライラインへボールを置く。Gも自ら担当し7点を先制する。

 この後も帝京が松戸エリアで戦う展開に。22分は、キックリターンから運びPR関真成(3年)がポスト右に仕留める。帝京は30分、トライを加え19-0とした。

 後半、帝京の攻めを松戸がディフェンスでしのぐ。そして30分、ラストプレー直前、帝京陣のラインアウトから素早く仕掛けた松戸bの主将CTB田上源(5年)が取り切り、7点を返して終えた。

 帝京・井坂ヘッドコーチは「前半から敵陣でプレーを続けることができた。フォワード戦で上回れたことが大きい」と話した。この日はHOで出場した永井は「まったくできなかった。これまで順調にきていたが基礎の部分がまだまだ」。

 帝京(2勝2敗)は11月23日に千葉大医学部(2勝2敗)と、松戸(2勝1分け1敗)は30日に自治医科大(3勝1敗)と最終戦を迎える。23日に昭和大医学部(3勝1分け)が横浜市立大(4敗)を下せば優勝になる。

 3部Bブロックの試合は12時30分キックオフだった。笛は、今年68歳になるレジェンド下井真介レフリーが吹く。

マリアンナ主将SH、根本凌太郎(茗渓学園で2度、花園出場)。素早いさばきでチームを牽引した。レフリーはレジェンド下井真介氏

 4チームが競うBブロック。ここまで2戦全勝同士の聖マリアンナ医科大と日本医科大・東京科学大(旧東京医科歯科大)・杏林大・山梨大の混成が優勝をかけて対戦した。接戦予想も単独チームのマリアンナが自陣からボールをつなぐラグビーを見せた。

 5分に左ラインアウトを得ると、FL今岡陽郎(大学院)が先制のファイブポインターになる。GはFB五木田篤志(6年、清真学園)が決める。10分はルーキー左WTB濱田隆成が左隅へ入る。7分後、ハーフライン付近のスクラムからつなぐと右WTB吉川裕次郎(3年)が3本目のトライを奪い19-0とした。30分過ぎに日本医大が敵陣へようやく入るもトライラインは遠かった。

 後半もFB五木田の5点を始めにWTB吉川がハットトリックを記録するなど6トライを加え64-0,ゼロ封で1位通過を決めた。

 マリアンナ主将のSH根本凌太郎(5年)は茗渓学園出身で高校2年時(2017年)に「第97回全国高校大会(花園)」にFLとして出場。翌年はHOで出場し、聖地を2度踏んできた。

「きょうはプラン通り、日本医大はフォワードが強いので外へボールを運んでいくことができました」。FB五木田とは同じ年。高校2年の茨城県決勝で競った仲だ。練習は月・水・土の週3回、3時間ずつ。川崎にある大学病院敷地にある「歯科大グランドの4分の1の狭い場所がホーム」(根本)。その分、パスワークが鍛えられている。

3部Bブロック1位通過を決めた聖マリアンナ医科大

 3部Aブロックは11月23日にある東海大医学部・科部と群馬大医学部の勝者が1位通過となる。1位がマリアンナと3部優勝を争う。

 1部は4戦全勝の東邦大医学部が最終戦で慶應大医学部(3敗)と対戦。2勝1敗の日本大医学部・東京慈恵会医科大混成は順天堂大医学部(1勝3敗)、慶應大医を残す。防衛医科大・日本大歯学部混成は2勝3敗で終えた。筑波大医学部は慶應医に勝利した1勝4敗にとどまる。

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