【関東大学リーグ戦】全勝対決は大激闘に。東海大が東洋大とのシーソーゲームを制す!
■関東大学リーグ戦1部
11月3日@スピアーズえどりくフィールド(東京)
【東海大 28-27 東洋大】
11月3日、関東大学リーグ戦1部の第5節がスピアーズえどりくフィールドでおこなわれ、ここまでともに4戦全勝の東洋大と東海大がぶつかった。首位を争うにふさわしい、タイトな攻守をお互いに披露。最後は東海大が28-27と1点差で逃げ切り、2シーズンぶりのリーグ戦制覇に大きく前進した。
序盤は、東洋大が風上の好条件を巧みに生かした。敵陣でアタックを繰り返し、得点の予感を漂わせる。
しかし、東海大は堅守で対抗。出足の鋭いタックルで次々と突き刺さっていく。ノックオンを誘い、ここぞの場面ではスティールと、開始早々から息詰まる白熱したバトルが繰り広げられた。
それでも先にスコアを動かしたのは東洋大。
SO林星安が敵陣中盤の右へハイパントを蹴り上げ、相手のボールキャリアへ複数の選手がからみつく。そのままラックをめくりあげてターンオーバー。右サイドを天羽進亮、アダム・タマティの両CTBの好ランで攻略し、最後はサポートに入ったSH佐々木健人が右中間に飛び込んで、前半12分に5点を先制した。
以降も東洋大が主導権を握る。主将のNO8、ステファン・ヴァハフォラウ、副将のFL森山海宇オスティン、タマティらの力強いボールキャリーに加え、司令塔の林が精度の高いキックでエリアをコントロール。相手を自陣に釘づけにした。
しかし、東海大も最後の一線だけは割らせない。
30分、その粘り強い守備が実を結ぶ。自陣深い位置でボールを奪い返し、キックで一気に東洋陣内へ。一度は相手に確保されるもカウンターラックで再びマイボールに。テンポのいいアタックで徐々にゲインラインを切り、左のタッチライン際でパスを受けたWTB鬼頭慶が走り切って同点に追いついた。
さらに、CTBコンラッド・セブンスターが難しい角度のコンバージョンキックを決め、スコアをひっくり返す(7-5)。
その後は、絵に描いたようなシーソーゲームが続く。
まずは40分、東洋大がラインアウトモールで12-7(G)と再逆転すると、ロスタイムには東海大が敵陣でアタックを展開。セブンスターの内返しのパスに反応した、CTB古屋健太朗がポール下まで走りに抜けて14-12(G)。またもリードを奪って、前半を折り返した。

後半も様相は変わらない。
序盤はミスや反則が続く東海大に対し、東洋大がその隙を突く。
10分にHO小泉柊人がラインアウトモールでこの日2本目のトライを決めて、19-14(G)と再びスコアを先行する。
一方の東海大もその8分後、相手陣内でセブンスターからWTBウェスリー・トンガとつなぎ、右のタッチライン際を好走。オフロードパスをもらったLO中村太志朗が仕上げて、21-19(G)と再度リードを奪い返した。
それぞれスコアを動かし、28-22と東海大の6点リードで迎えた最終盤、ゲームはより一層の熱を帯びる。
ロスタイムに入り、東海大はシンビンによって数的不利な状況に追い込まれる。これに乗じた東洋大は、敵陣22メートル線内でのラインアウトを起点に、逆転へ向けて一気に攻勢を仕掛けた。
LO栗原大地に代わってピッチに入った、背番号17の岩崎ヴィージェー純が鮮やかなステップを見せ、敵陣中央のエリアでラインブレイク。すぐさま右のスペースへボールを動かし、最後はWTB浅尾至音がタックラーを引きずりながら走り切って、27-28と1点差まで追い上げた。
このあとのコンバージョンは決まらず大逆転勝利とはならなかったが、東洋大の勢いは止まらない。
再開後、WTB中山二千翔が70メートルにも及ぶロングゲイン。瞬く間に敵陣深くへと侵入する。一度はノックフォワードでチャンスが潰えたものの、直後のスクラムで東海大がこの日2度目のアーリーエンゲージで痛恨のペナルティを犯す。
40分を過ぎて三度、逆転への好機を得た東洋大はラインアウトを選択。きっちりとボールを確保し、22メートル線の内側でモールを組む。BKの選手も次々と入り、ぐいぐいと前進。5メートラインの手前まで押し込んだ。
ラックとなったあとは丁寧にボールを継続。相手ディフェンスを少しずつ中央へと寄せ、SH佐々木がタイミングを見はからい、右のエッジで待つ浅尾へ飛ばしパスを送る。
直前にトライラインを陥れたばかりのランナーは一気に加速し、逆転かと思われた瞬間、飛び込んできたのは東海大主将のFL薄田周希。見事なタックルでタッチラインの外へと押し出し、1点のリードを守り抜いた。
最後の最後に大仕事を果たしたキャプテンは、「ひとり少ない状況で想定外だったが、がんばって走ったら追いついた。残り2試合しっかりと勝ち切って、いい形で選手権に臨みたい」と笑顔。木村季由GM兼監督も、「ディフェンスがしっかりすれば締まったゲームができる。ディフェンスのレベルを上げていきたい」と、先を見据えた。
一方、惜しくも白星を逃した東洋大の福永昇三監督は、「(リーグ戦の)スケジュールが出た段階から、非常に重要な試合だと認識していた。そこに向けて準備してきたが1点足りなかった」と唇を噛んだ。
<次戦日程>
・11月15日(土)東海大 vs 大東大@小田原市城山陸上競技場
・11月16日(日)流経大 vs 東洋大@小田原市城山陸上競技場




