日本代表 2025.11.02

規律修正の鍵は「半歩」。日本代表のディフェンスリーダー、下川甲嗣が語る。

[ 明石尚之 ]
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規律修正の鍵は「半歩」。日本代表のディフェンスリーダー、下川甲嗣が語る。
188センチ、105キロのFL。ラインアウトではジャンパーとして貢献する(撮影:イワモトアキト)

ラグビー日本代表戦 4週連続WOWOWで!
11/8(土)午後9:00「アイルランドvs日本」生中継

 日本代表は10月25日のワラビーズ戦後、表彰式を初めて開いた。

「ラグビー革命を起こそうとしている日本代表の各選手の努力をしっかり評価していこう」(日本協会HPより)との思いから、選手主導でおこなっているそうだ。

 ディラン・ライリーが各表彰を紹介。ディフェンスでもっとも貢献した選手には「兜」、リザーブからもっともインパクトを与えた選手には「金槌」、もっともジャパンファーストを体現した選手、スタッフには「研ぎ石」、そしてMVPには「日本刀」が贈られた。

 プレゼンターの一人であるエディー・ジョーンズHCから、「研ぎ石」を渡されたのは下川甲嗣だった。
 グラウンド内外でのリーダーシップを称えられた。

「自分ではないと思っていたのでびっくりした」と本人。
 ワラビーズ戦でフル出場した背番号7は、相手の指揮官であるジョー・シュミット氏からも、藤原忍と並んで名指しで高評価を受けていた。

「(ディフェンスで)前に出てプレッシャーをかけられたと思います。でも、まだできます」

 自身がリーダーを担うディフェンスで、この日は惜敗に持ち込めた(15-19)。
 スコアで上回れなかったことは「すごく悔しい」としつつ、手応えも掴めた。

「規律は良くなかったですが、ゴールラインで粘り強く守れました。そこがPNCの課題だったので、宮崎でも同じシチュエーションで練習してきました」

 週半ばには、試合を想定した強度でのゴールラインディフェンスの時間が設けられた。
 システムを再度、整理した。下川いわく「本当にディフェンスが大好き」というギャリー・ゴールド アシスタントコーチから檄が飛ぶ中、「アクションを起こせる状態にいち早くなる」ように意識レベルを上げた。

「メンバー、ノンメンバーで本当にやり合えて、PNCが終わった後は特に激しい練習ができていました。強度が上がれば、自然と寄りのレースや相手が下にいたら排除するところでレベルアップできたと思います」

 ただ、現地時間11月1日におこなわれる欧州遠征の初戦、南アフリカ戦では規律の修正がマストだ。
 下川はキーワードに「半歩」を挙げる。

「オフサイドに関しては練習からもう一回、意識づけをしていかないといけません。内側のプレーヤーから、大袈裟に(オフサイドラインよりも半歩)下がる。そこを徹底します」

 オープンサイドフランカーとして先発するこの試合で、下川は節目の20キャップを得る。「何をとってもトップクラス」と評するボクス相手に、成長した姿を示したい。

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