「この国のために心のこもったプレーをします」。ベン・ガンター[日本代表/FL]
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11/2(日)午前0:45「日本vs南アフリカ」生中継
欧州遠征を控える日本代表の練習が一般公開された10月28日。報道陣の取材に応じたのは、FLベン・ガンターだった。
先に対応したWTB石田吉平の肩に太い腕を回し、「トランスレーション(通訳)するよ」と早速ジョークをかます。
自身の出番が来ると今度はどうしてか、ヘッドキャップをつけて現れた。
世界ランキング1位の南アフリカ代表とのテストマッチを週末に控え、「スプリングボクスはめっちゃ強いチーム」と日本語で答える。
あとの問答は佐藤秀典さんを通して届け、「すごく良いチャレンジ。ベストなチームとやることで成長に繋がります」と続けた。
「(南ア代表は)世界一のチームです。でも、プレッシャーは相手にある。アンダードッグ(格下)が活躍する方が、ファンは見てて喜ぶでしょう」
自身も、オーストラリアで暮らしていた頃から「アンダードッグを常に応援している立場でした」と明かす。
高校卒業を控えた2015年の9月には、「ブライトンの奇跡」を学校で見た。
「アジア人の血が入ってるので(母はタイ人)、以前からジャパンを応援していました。誇らしい瞬間でした。でも、あの時はここにいるとはまったく想像していませんでした。いまは、テレビで見ていたリーチ(マイケル)をアニキのように慕っています」
普段は多くを語らぬタックラーが、この日は思いが溢れた。「振り返ると、良い感じのストーリーですね」と話し、左胸のエンブレムを指差して喜びを言葉にした。
「当時は桜のジャージーを着るほどの選手になれると思っていませんでした。日本に来てから、ここまで成長できたことを本当に嬉しく思います。コーチや選手たちのおかげです。ケガがたくさんあって、ここまで苦しい道のりでしたが、いまはこのジャージーを着てできる限りベストのパフォーマンスを出して、みなさんを笑顔にしたいです」
対するスプリングボクスには、所属する埼玉パナソニックワイルドナイツでチームメイトのCTBダミアン・デアレンデ、LOルード・デヤハー、コーチ陣にもアドバイザーを務めるトニー・ブラウンがいる。
「ストーリー性のある試合になりますね。でも、いまのフォーカスは日本のためにプレーすること。友だちだろうが、誰だろうが、目の前にいるやつは…。リスペクトはしているけど、この国のために心のこもったプレーをします」
出場すれば南アとの初対戦が叶う。サンウルブズ時代には幾度もその国内チームと戦ってきたが、「まったく違うチーム」という。
「自分も日本のジャージーを着た時に思いますが、国を代表するという責任が伴います。プライドや名誉など、まったく違うレベルです。本当に15人の怪物に立ち向かう感覚です」
10年ぶり二度目の勝利に向けたプランは、「いろいろあるけどシークレット」。「BKはBK、FWはFWでやるべきことをやる。僕の役割はできるだけ吉平にボールに渡すこと」と、またメディアを笑わせた。
「ディフェンスで自分の力をしっかりと発揮して、チームに貢献したいです。失点を抑えることが勝ちに繋がる。相手もディフェンスが好きというマインドセットは似ていますが、相手の得意とすることで逆にやり返したいです」
「日本にすごくお世話になっているので」と謝辞を重ね、「体を張ることで恩返しがしたい」と決意を語った。



