国内 2025.09.09

【2025年度戦力分析・慶應義塾大学】先行投資が結ぶ挑戦。

[ 編集部 ]
【2025年度戦力分析・慶應義塾大学】先行投資が結ぶ挑戦。
ユーティリティーBK伊吹央(撮影:福島宏治)

[慶應義塾大学(昨季大学選手権ベスト8/関東大学対抗戦A 4位)]

 春季大会Bグループでは同じ対抗戦勢に屈し3勝2敗。防御のまとまり、セットピースの安定感に課題を残すも、就任3季目の青貫浩之監督は「先行投資ができた」。有望なルーキーに実戦経験を与えられた。

 特に注目されるのがFL申驥世(1年)。全国大会2連覇の桐蔭学園で主将を務めた逸材だ。かつて同じ位置でプレーした指揮官は「運動量、タックルの精度、激しさはまだまだ」と厳しく見ながら、「マインドセットを含めて素晴らしい選手」と称えもする。勝負へのこだわりと成長意欲の高さに触れ、「(1年目から)リーダー陣に入れてしまおうかと思ったくらい」のようだ。申とともに桐蔭学園高から来たLO西野誠一朗(1年)も、チームが求める「戦える人間」のひとりだ。新人では一般入試を現役でパスしたLO山﨑太雅(1年)も台頭。青貫監督は「勉強(ができる)だけではなく、よく考えてプレーする」と評す。

 BKではFB田村優太郎(2年)が複数の位置を担えて、クレバーさが光る。春に伸びたWTB石垣慎之介(4年)、1年時から主力格だったWTB小野澤謙真(2年)らと攻めを彩るだろう。

 目標は25季ぶりの大学日本一。自軍が昨季4位だった対抗戦に加盟する全国V4の帝京大などとの差を埋めるべく、シーズン突入後も体づくりに注力。今野椋平主将(4年)、山本大悟副将(4年)の両CTB、FL米津幸治(4年)という今季限りで第一線から離れる中核へ、元会社員(味の素勤務)の青貫監督は「(卒業後も)しんどい状況でどれだけ前向きに行動できるか(が問われる)。いまは社会勉強」とエールを送りつつ、「(3人とも)タフな練習でもポジティブ」と信頼を寄せる。

(文:向 風見也)

※ラグビーマガジン10月号(8月25日発売)の「大学ラグビー主要3リーグ各校戦力分析」を再編集し掲載。掲載情報は8月18日時点。

<夏季練習試合 結果>※Aチーム戦のみ
8月20日 vs関西学院大○28-26
8月24日 vs東洋大△31-31

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