ワールドカップへ。谷口琴美が語るサクラフィフティーンの進歩。

女子15人制ラグビー日本代表は、イングランドで現地時間8月24日にワールドカップの初戦を迎える。
3年前の前大会に続いての出場となるHOの谷口琴美は、「(以前より)世界がどんな感じかをわかって臨める。前回よりももうちょっと、チームに貢献できればと思っています」と語る。
「前回は失礼ながら『運よく行けた』と思っていて、実際に行けてからは『もう1度、ここへ来たい』と思って3年間を過ごしてきました。(メンバーに)選んでいただいて嬉しい気持ちです」
違いを実感する。
今回は大会開催年へ突入すると、国内で長期合宿を重ねた。本番の予選プール期間中に移動が多いのを加味し、全国各地を回った。
集団のなかには、もともと代表チームの文化、代表選手としての自覚を育む「サクラスタンダード」という標語があった。このフレーズの価値を高める機運が、件のキャンプを前後して高まってきていたようだ。
昨秋頃からはミーティング中、トレーニングで意識する点を選手がプレゼン。ワールドカップイヤーになれば、それぞれの「オーナーシップ」を再確認した。
「チーム、個人個人の目標を達成するために自分が何をできるかについて、考えてみよう。それについて、時間をかけました」
持ち場にもこだわる。先頭中央で組むスクラムでのキーワードは、「5センチ」。その心は、地上から「5センチ」の位置に膝があるイメージを持て、といったところか。低さにこだわる。
教えるのは、オーストラリア出身のマーク・ベイクウェルFWコーチ。得点源のモールを鍛えたのもこの人だ。
名伯楽の普段の様子は、谷口曰く「背も高く、細かいことをよく言うので、一見、厳しそう。ただ、打ち解けるとおちゃめ」。個人練習中のメンバーを見つけて朗らかに話しかけ、和ませるのが日常だ。
活動期間中のチームディナーなどでは、「前に出てふざけてくれます」と谷口。腰を落として片腕を上下させ、全体を盛り上げる仕草も特徴的だという。
「いいことがあれば、FWの選手はそれを真似しています。英語がわかれば、もっと面白いことを言っていると感じられるんだろうなと。そこが、悔しいです!」
経験値、結束力といった無形の力を結果に繋げたい。