ワールドカップ前最後の国内戦でアピール。小牧日菜多は「私たちの準備をする」と強調。

アピールできた。
サクラフィフティーンこと女子15人制日本代表の小牧日菜多は、ワールドカップイングランド大会前最後の国内戦シリーズで活躍した。
7月19、26日にそれぞれ福岡・ミクニワールドスタジアム北九州、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた対スペイン代表2連戦にメンバー入りした。
初陣では先発し、2トライを挙げたうえに鋭いタックル、好ラインブレイクと八面六臂の活躍だった。後半36分までプレーし、32-19で制した。
続く2戦目でも後半10分から登場した。ボール保持者としての粘り腰、スティールの鋭さを披露した。30-19と連勝した。
レスリー・マッケンジーヘッドコーチによると、27日に発表されたワールドカップの大会登録メンバーは、26日のゲームに先立ち決まっていた。サバイバルレースが大詰めを迎えていたタイミングで、小牧は持ち場の左PRの選手層を厚くできる存在であると示せた。
「早紀さんのスクラムには憧れていた」
件の連戦前の取材では、こう語っていた。
22年のニュージーランド大会に出場した際は、同じ位置で主将だった南早紀の背中を追いかけていたのだ。引退した南について問われ、こう応じた。
「相手より身体が大きくなくてもスキル、負けないという強い情熱で挑んでいました。私たちを鼓舞してくれるような声かけもしてくれていました」
19日のキックオフを直前に控えたタイミングで、「早紀さんがつけていた1番に恥じないように、早紀さんに憧れてきたこと(思い)を体現したい」と微笑んだ。
今回の大会開催年は、長期キャンプを繰り返した。心身を追い込みながら連携を磨いてきた。「練習が続いて、ひと息つけるような時間がなかった時は辛いと感じました」と笑いながら、充実した準備を語る。
「(先輩とも)年の差を感じさせないような、家族みたいな関係を作った。長い時間を過ごしてきたからです。集団生活は得意なほうなので辛いことはあまりなかったです。長い合宿を通して、自分たちのラグビーができたら結果に繋がることに自信がついた。(この時期は)私たちが、私たちの準備をするのが大切になります」
晴れてスコッド入りがアナウンスされれば、メディアを前に緊張感を口にしていた。
「本番が近づいている実感があります。(選ばれた)32人以外にも多くの人たちが、このチームを作るための努力をしてきてくれました。いままでやってきたことを体現しなければいけないという責任も感じます」
24歳にして、国を代表する重みを自覚する。8月下旬の開幕に先立ち、同月上旬にイタリアへ渡る。