日本代表 2025.07.19

サクラフィフティーン向來桜子、ワールドカップ前の国内戦で「うるさく」。

[ 向 風見也 ]
サクラフィフティーン向來桜子、ワールドカップ前の国内戦で「うるさく」。
5月のアジアラグビーチャンピオンシップで主将を務めた向來桜子(©︎Asis Rugby/JRFU)

 ワールドカップ前最後の国内代表戦に挑む。

 サクラフィフティーンこと女子15人制ラグビー日本代表は、7月19日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で対スペイン代表2連戦の初陣に臨む。スペイン代表とは、8月にイングランドで開幕の4年に1度の大舞台でも対戦する。

 この夏の初戦のゲーム主将は、向來桜子が務める。身長168センチのFLだ。4年前にニュージーランドであった前回大会には19歳で出ている。

「家族よりも長く過ごしているサクラフィフティーンの皆と、国内テストマッチができることを嬉しく思います。準備してきたことを体現し、自分たちが楽しめるラグビーをしていきたいです」

 チームは今年1月以降、候補選手らによる「強化・TID」合宿を皮切りに国内外で複数のキャンプを実施。メンバー選考と選手間の連携強化に時間を割いた。

 特異な環境で培った力について、新潟県出身の背番号6が語る。

「コミュニケーションがよく取れた。準備する時間が多かったのもよかったです」

 タフな日々を経て迎えるこの試合に向け、メンバーが発表されたのは17日。選考理由について、レスリー・マッケンジーヘッドコーチはこう説明する。

「現段階では(スコッド内の)セレクション要素があるのは避けられない。次戦でメンバーが変わることも大きく想定されます。ハードワークした全選手が力を発揮してくれることを心待ちにしています。それぞれの選手のラグビージャーニィを支えたサポーター、家族の前でプレーすることは、各自にとって素晴らしい経験です」

 さらに大会本番で起こりうる様々な状況を想定。FLの長田いろは主将をあえて隊列から外した。その流れで船頭役を向來に託した。

「主将の役割を果たす者がいない時、チーム全体でどう反応するかについて導入するいい機会です。向來はチームのためなら命を懸ける存在。何事にも全力を尽くせて、周りの人のことがよく見えている。うるさく(よく声を出し)、フィジカルなプレーヤーで、ユニークなリーダーシップを備えている。今回、思ってもみないプレッシャーがかかるかもしれませんが、堪能して欲しいです」

 当の本人も「うるさく」のリクエストを踏まえて頷く。

「指名していただいた時はびっくりした。主将らしくやるというより、いままで見せてきたものを見せないといけない。自分らしくプレーすることがチームにとって大切です。BKとコネクトするポジションなので、レスリーさんの言うようにうるさくプレーするのは大事。きつい時、ミスが続いた時に明るくできたら、皆がいつも通りにプレーできると思います」

 話をしたのはメンバー発表後のオンライン会見。同席した長田も「練習でも試合でもよく喋り、プレーでも見せてくれる。向來らしくチームを引っ張って欲しいです」とエールを送った。

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