ディラン・ライリーの国内シーズン終了。再来年のルール変更&夏の代表戦への思いは。

日本語が流暢だった。
「皆さんこんにちは。このような(受賞)、とても嬉しいと思います。これからも頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございます」
ジャパンラグビーリーグワン1部のベストフィフティーンに選ばれた埼玉パナソニックワイルドナイツのディラン・ライリーは、都内での表彰式で滑らかに述べ、司会者に賞賛された。
南アフリカ生まれで10歳からオーストラリアにいた28歳は、2018年に練習生として入ったワイルドナイツで台頭。2021年からは日本代表でも活躍する。
かくも日本語が上達したわけを聞かれれば、「聞く、話す機会を増やしてきて…」と答えた。この国で知り合ったガールフレンドと、日本語と英語の「半分くらい」で会話をするのも上達に繋がっているらしい。
件のスピーチについては、通訳を介して語った。
「舞台で挨拶するとなるとナーバスになるものですが、終わってしまえばそれが自信に変わります」
リーグワン初代王者のワイルドナイツは、今季12チーム中4位。レギュラーシーズン2位も、プレーオフで準決勝と3位決定戦を落とした。
初めて出場できなかった決勝戦を、ライリーは「見ていません」。まもなくオーストラリアに帰省予定だ。家族と会い、リフレッシュする。
視線の先には代表戦があろう。7月にウェールズ代表とぶつかる日本代表のキャンペーンへ、ライリーは選出が期待される。
国内シーズンのさなか、ジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチに課された宿題と向き合ってきたという。具体的なタスクについては「自分のことなので、あまり説明する必要はないかな」とし、淡々と未来を語る。
「与えられた課題は取り組み続けたい。これまでワイルドナイツのシーズンに集中していいましたが、ここからもし代表に選ばれたらやるべきとをやり、合宿に臨みたいです。まずは身体の状態を正したいですね」
再来年度からリーグワンでのレギュレーションが変わる。いまのライリーは出場枠に上限のない「カテゴリA」に遇されるが、今後は「カテゴリA-2」と細分化され、他の海外出身者と限られた椅子を争わなければならない可能性もある。
ライリーがほとんどの日本生まれの選手と同じ「カテゴリA-1」に遇されるには、日本代表30キャップ以上の取得が必要だ。
決定に賛否が渦巻くなか、現在28キャップの戦士はこう言葉を選ぶ。
「私はプロとして、自分のラグビーを成長させるために日本に来ています。(変更は)タフなもので、(異論を踏まえて)これから何らかの中間地点を探さないといけないかもしれません。ただ、リーグのしていきたいことの意図にはわかる部分もあります。今回のことで、ラッキーな選手、アンラッキーな選手が出てくる。そんななか、自分は、自分のできることをしていきます」
身長187センチ、体重102キロで足が速く、何より外敵に惑わされないアウトサイドCTB。大一番には不可欠だ。