国内 2025.06.01

【リーグワンD2/D3入替戦】清水建設江東ブルーシャークスがD2残留。狭山セコムラガッツとの第2戦も31-28で勝利

[ 編集部 ]
【リーグワンD2/D3入替戦】清水建設江東ブルーシャークスがD2残留。狭山セコムラガッツとの第2戦も31-28で勝利
江東BSのFBコンラッド・バンワイクは正確なキックと安定のフィールディングで勝利に貢献した(撮影:福地和男)

■NTTリーグワンD2/D3入替戦 第2戦・5月31日@海老名運動公園陸上競技場(神奈川)
【江東BS 31-28 狭山RG】

 第1戦は残り1分で逆転に成功し17‐15で狭山セコムラガッツ(D3・2位)を退けた清水建設江東ブルーシャークス(D2・7位)が、その勢いのまま、第2戦も主導権を握った。

 両チームともに一歩も引かない激しい戦いになったが、最後は堅い守りで猛攻を跳ね返したブルーシャークスに勝利の女神は微笑んだ。最終スコアは31-28。薄氷を踏みながらもD2残留を決めた。

 大雨の影響から互いに本来の持ち味を発揮できずにいたが、そんな中でもゲームを優位に進めたのは前半、風上に立ったブルーシャークスだった。セットプレーで強さを見せるブルーシャークスは、FBのコンラッド・バンワイクの正確なキックを有効に使ったゲームメイクで敵陣に侵入。20分、22㍍線内中央の起点からキックパスを受けたWTB西端玄汰がゴール右隅にトライを決めると、その後の難しい位置からのゴールもFBバンワイクが冷静に決めてゲームを動かした。

 直後の25分にはペナルティで得たチャンスからキックで敵陣深くに入ると、右隅ゴール前ラインアウトからモールで押し込み、最後はFLマーフィー・タラマイが仕留めた。この直後のゴールもFBバンワイクが冷静に加点。ブルーシャークスが理想通りにゲームを支配していく。

 一方のラガッツはハンドリングエラーなどで好機をつくれずに我慢の時間帯が続いたが、NO8フェトゥカモカモ・ダグラスが一瞬のチャンスを見逃さなかった。35分、10㍍線付近から右に展開するブルーシャークスの攻撃を遮断。狙いすましたようにインターセプトして独走。ポスト下にボールを運んだ。ラガッツはこのトライから息を吹き返す。体を張ったプレーで接点でも互角以上の戦いを見せてブルーシャークスにチャンスをつくらせなかった。


 だが――。「あの2本のトライが余計でした。あのような場面でイージーなミスが出てしまうのは、まだチームが成熟できていないということです」と試合後にスコット・ピアスHCが振り返ったこの試合の分岐点が訪れる。前半終了間際にLOコリー・ヒルが危険なプレーでペナルティ。ブルーシャークスはキックで敵陣ゴール前まで運ぶと、最後がラインアウトからモールで押し込み、43分、CTBシアレ・ピウタウがトライ。前半を21-7で折り返した。
 後半直後も、相手のミスから敵陣深くに侵入すると、FWがタテ、タテと突き、最後は左に大きく展開し、最後はこの日、攻守にわたって大活躍のFBバンワイクがトライ。5点を追加してラガッツを大きく突き放した。

 これで追い込まれたラガッツは、ここから怒涛の反撃を見せる。10分に相手のハンドリングエラーのミスを突き、NO8フェトゥカモカモ・ダグラスが7点を返すと、その直後にはFBチェイス・ティアティアが左のエッジを走り切り、5点差まで詰め寄った(G)。22分に1トライを返されるが、26分には手薄なサイドを積極的に攻略したFBティアティアがトライゾーンにボールを運んだ。ゴールも決まり31-28まで詰め寄った。

 しかし、最後まで統率のとれた守備組織で規律を守り続けたブルーシャークスが、その後も集中力を途切れさせず、しっかりと時間をつかい、ラガッツの猛攻を食い止め3点のリードを最後まで守り抜いた。
 勝利した仁木啓裕HC兼チームディレクターは「ホッとした気持ちといろいろな気持ちがまじりあっています。なんとか残留できて、役目を果たしたかなと。ラガッツさんには改めて、折れない気持ちを学ばさせていただきました。来季は上の入れ替え戦を目ざします」と、激闘の末にいつかんだ『残留』に胸をなでおろした。

PICK UP