国内 2025.05.16

スティーラーズがプレーオフ参戦。植田和磨は「のびのび」。李承信は重圧から逃げない。

[ 向 風見也 ]
スティーラーズがプレーオフ参戦。植田和磨は「のびのび」。李承信は重圧から逃げない。
相模原DB戦で初トライをマークした植田和磨[神戸S](撮影:平本芳臣)

 コベルコ神戸スティーラーズが頂点に近づいている。

 ジャパンラグビーリーグワン1部で2シーズン続けて12チーム中5位になり、今季から6枠に増えたプレーオフ行きを決めた。

 旧トップリーグ時代の2018年度以来となる大台達成を果たし、その時以来の日本一を目指す。

 準々決勝は17日。対する静岡ブルーレヴズは4位進出で、レギュラーシーズンの同カードは2戦とも落としている。

 3度目の正直を実現すべく、共同主将の李承信はこう意気込む。

「先週、ブルーレヴズさんと試合をした時はセットプレー、レフリーとのコネクトが課題に出ました。規律を持っていきたい」

 互いの繋がりを強め、向こうのハードな攻守へ対峙する。

「(仲間には)いままで自分たちがしてきたことに自信を持って準々決勝に挑もうと話しました。(本番までの)1週間でどういう準備をするか、コーチを介入せずにプレーヤーだけで話しました。ひとりひとりがもう1パーセント、ハードワークすることで神戸ラグビーは成り立ちます。ゲームのメンバーは『自分の役割を遂行する、周りのメンバーとコネクションを取る』と、ゲームに出ないメンバーは『ゲームメンバーにプレッシャーをかけたい』と(話していた)。ゲームに向かって、ワンチームになれている」

 リストに登録された面々には、フレッシュな逸材もいる。植田和磨。身長177センチ、体重87キロの22歳。この春、近大から入ったばかりのWTBが14番を着る。

 昨夏は男子7人制日本代表として、オリンピックパリ大会でプレーした。現在進行中のリーグワンでは、第15節から最終節まで4戦続けて出場。思い切りのよいラン、ハイボールキャッチで存在感を示す。

 きっかけは「サラマンダー」。レギュラー入りを目指すものを対象にした練習試合で気を吐き、主力組への仲間入りを果たした。

 立場に背中を押された。

「近大の4回生の時は最上級生のリーダーということもあってプレッシャーを感じ、少し縮こまって、あまり納得できないシーズンでした。でも、神戸に入ったら一番下。のびのびさせてもらえる立場で、思い切りプレーしていることがいまの結果に繋がっています」

 松永貫汰やアタアタ・モエアキオラら、同じ位置の先輩からもよく助言をもらえる。

 新たなステージで優勝を狙えることは、幸せに感じる。

「日本一を狙えるチームだとわかって(スティーラーズ)に入団しましたし、実際そのメンバーに入れることはありがたいです。(リーグワンは)レベル、高いです。海外代表の選手と比べたら、フィジカル面は課題。勉強、勉強で、努力を重ねたい」

 ブルーレヴズ戦は17日の12時、東大阪市花園ラグビー場でキックオフ。李は「チャレンジするスタートラインに立てた。プレッシャーから逃げるのではなく、プレッシャーに立ち向かってハードワークを楽しめたら、いい結果がついてくる」と展望した。

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