国内 2025.05.02

1年生14名が入部。東京都立大ラグビー部、~進学先でもラグビーを続けよう、始めよう 2025年春~

[ 見明亨徳 ]
1年生14名が入部。東京都立大ラグビー部、~進学先でもラグビーを続けよう、始めよう 2025年春~
2025年度の東京都立大ラグビー部。全員で3部復帰の礎を作る(筆者撮影)



 今季のスローガンは「TIGHT」。東京都立大ラグビー部主将、LO高橋一平(神奈川県立海老名高)は「すべてにタイトな姿勢で臨みます。プレーの一つひとつ、規律を守る、細かいところまで」と語る。

都立大主将、高橋一平。「TIGHT」な1年を送る

 都立大は昨年度、関東大学リーグ戦3部で戦い7位。4部2位の駒澤大と2年連続で入替戦を競うも26-35で敗戦、リベンジを許した。2018年度から守ってきた3部の座から降格した。

 4月、都立大にとり大きな仕事=新入部員獲得に全力で取り組んだ。選手10名、マネージャー4名の入部が確定した。5日の大学全体のクラブ紹介に始まり、平日午後のウエートトレーニング体験、先輩とのおしゃべりタイム、夕方の体験練習。なんといっても食事が大事だ。9日の「バーベキュー大会」には約100名の1年生が参加した。16日のしゃぶしゃぶ食べ放題も人数を制限しながら数十名規模でおこなった。

 26日、朝10時。入部を決めた1年生のうち選手9名、マネージャー3名が球技場へ。選手のうち経験者は3名のみ(去年は11名中8名。強豪校や地域選抜もいた)。先輩と一緒に全員でゲーム。数組に分かれてパスをつなぎ一番早く元に戻った組が1位。楽しい雰囲気が伝わってくる。

 選手だけの時間。まずはパスの基本などを教えてもらう。フォワード、バックスに分かれる。フォワードはスクラムの姿勢、組み方。実際に先輩も入って押し合う。ラインアウトではスローワー、ジャンパーに1年生が入る。少しずつタイミングがあってきた。

未経験者もスクラムを体験する

 バックスはランパス、キック。キックパスを蹴る、受ける。先輩からは「ぜひフォワードに、バックスに」と声がかかる。一方、マネージャーはウォーター担当、撮影担当などに分かれて仕事を学んでいた。

 仕上げはタッチラグビー。4チームが対戦した。その中、チェンジオブペースで先輩の間をくぐり抜けトライラインへ迫る1年生がいた。札幌日大高から入学した中川久遠だ。

運動部が初めての中川久遠。チェンジオブペースでDFを破る

 これまで運動部に入ったことはない。吹奏楽部にいた。「大学では運動をしたいと思っていました。くぐり抜けたのは中高の時に、遊びでサッカーをしたことがあったからかも。たまたまラグビー部に知り合いのお兄さんがいて」。

 経験者は確実なプレーを見せていた。この日は都立小山台高出身の2名が参加(他の1名は神奈川県立希望ヶ丘高)。2名は去年の秋に都立大ラグビー部志望を決めていた。高校OBで今年4年のHO岡元隆太、2年のCTB服部泰士が勧誘、都立大の試合も観戦に訪れた。WTB金井研也、PRウィジェートゥンガ・ムディヤンセラゲ・ヤサンタだ。「チームの雰囲気、自分たちの学力を考えた」という。残念ながら今春の入学は叶わなかったものの、一緒に受験し、来春の合流を目指している仲間もいる。

 マネージャーで楕円球と親しんできたのは、八重尾理子さん(鹿児島県立国分高)。「小中の時に地元の姶良ラグビーフットボールクラブに入っていました。高校は勉強が中心、ラグビーをやめたことが心残りで。マネージャーで支えたい」。東京にすごく憧れていた、という一面も。

1年生マネージャーも早速、撮影の仕事

 4月は、15人制での全体練習はまったくおこなってこなかった。選手は大学院から1年生まで31名になる。未経験者を除くと24名、試合参加にはギリギリだ。練習もアタックディフェンスをおこなうには足りない。

 スキッパー高橋は話す。「今年の3年生(選手8名)も経験者が少なかった。初心者は一昨年と同じような取り組みをしていきます。4部での目標は、全員で話しあい3位以上です」。3部復帰への礎作りをしていく。1年生からは「先輩たちと今年、3部復帰のために努力します」と期待がもてる声も聞こえた。

 都立大は今月、練習試合を組んだ後、東京都の国公立大会1回戦(18日)で東京海洋大と初戦を迎える。

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