【リーグワン】ダイナボアーズ、三菱創業の地長崎でイーグルスに快勝。プレーオフ進出へ望みつなぐ

試合開始前時点で勝ち点30の7位横浜キヤノンイーグルスと、同22の8位三菱重工相模原ダイナボアーズの激突。上位6強によるプレーオフ進出に向けどちらにとっても重要な意味を持つ第15節は、ダイナボアーズが38-28で大きな勝ち星を手にした。
三菱創業の地である長崎での、昨年に続く2度目のホストゲーム開催となったダイナボアーズ。LOリンディ真ダニエルのクラブ史上最多出場記録更新(121)となる節目の一戦ということもあって、この日はいつも以上に気迫のこもったプレーが目を引いた。
開始2分にイーグルスSO田村優の狙い澄ましたキックパスからWTB石田吉平に先制トライを許したものの、すぐに反撃。相手陣で左右にテンポよくアタックを継続して揺さぶると、逆サイドからライン参加したWTBジョアペ・ナコが抜け出す。そのまま約30メートルを走りきって7-7とすかさず試合を振り出しに戻した。
さらに続くキックオフレシーブからNO8吉田杏が大きくゲインし、一気に相手陣へ。タックルを受けながら浮かせたボールをサポートしたCTBマット・ヴァエガが胸に収め、ポスト下に駆け抜ける。18分には中盤のキックチェイスからカウンターラックでボールを奪取し、左オープンへ振ってWTBタウモハパイ ホネティが仕留めた。
イーグルスもここでよく踏みとどまり、21分に左コーナーのラインアウトから近場を力強く前に出てLOマシュー・フィリップが左中間にグラウンディング。ふたたび勢いを盛り返すと、27分にはキックリターンからWTB石田吉平が得意のステップで抜け出し、パスを受けたCTBジェシー・クリエルが右コーナーに飛び込む。これで21-21とふたたび同点に。
以降はお互いにディフェンスで粘る場面が増え、スコアは膠着。そのままハーフタイムを迎えた。
後半も拮抗した流れで進む中、次に得点が生まれたのは11分だ。SOジャック・ストラトンの好キックで右5メートルラインアウトのチャンスを得たダイナボアーズは、何度もチャレンジしながら押しきれなかったモールをようやく押しきってHO李承爀がトライラインを超える。16分にはCTBヴァエガが約25メートルのPGを通し、31-21とワンチャンスでは追いつけないところまでリードを広げた。
そして勝利へ大きく前進するトライが生まれたのは30分だった。自陣レッドゾーンでのピンチをしのぎきって相手陣22メートル線内に攻め込んだダイナボアーズは、左→右と折り返しのアタックからLOウォルト・スティーンカンプがきれいにクリーンブレイク。外についたWTBジョアペ・ナコが右隅へ飛び込み、38-21と点差を17まで拡大する。
ラスト10分は残り時間とスコアの優位性をいかして圧力をかけ、落ち着いてゲームをコントロール。イーグルスの反撃を33分のPR南友紀の1トライ(G)に抑えて、フルタイムを迎えた。
今季6勝目を挙げたダイナボアーズは、総勝ち点26に。順位こそ変わらなかったものの入替戦圏から一歩抜け出すと同時に、プレーオフ進出へ望みをつないだ。一方のイーグルスは勝ち点を積み上げることができず、痛恨の敗戦となった。