血の入れ替えの成果は? トム・バンクスが語る2024年度のヒート。

ジャパンラグビーリーグワン1部が佳境を迎える。昇格2年目の三重ホンダヒートが、2連覇へまい進する東芝ブレイブルーパス東京へ牙をむいた。
3月30日、北海道は大和ハウスプレミストドームで第13節に挑んだ。
前半はミスを重ねるブレイブルーパスと点を取り合い、後半5分で14-17と接戦を演じた。その間は両端のスペースへキックを散らし、防御の混乱を目論んでいたような。
「同じことを繰り返すことを避けたかった。あえて様々なキックを蹴っていました」
強者への対抗策についてこう語ったのはトム・バンクス。オーストラリア代表21キャップの30歳だ。
この日は加入3シーズン目のヒートにあって、最後尾のFBとして先発した。後半23分にトライを決めるなど、爪痕を残していた。
最後は失点がかさんで21-59と敗れ、こう総括する。
「立ち上がりはポジティブな感じで試合を運べましたが、最後に数トライ、取られたのは残念。(課題は)フィットネスではなく、イエローカード(後半30分に発出)などです。そのあたりの修正は必要です」
今度の黒星で12チーム中11位となったが、序盤は開幕2連勝と気を吐いていた。ここまで4つの白星を積む。進歩を実感する。
わずか1勝の11位に終わった前年度を経て、クラブは大幅な戦力補強を断行していた。
一般論では、大胆な血の入れ替えは従前のカルチャーをリセットするリスクも伴う。ただしヒートがしたそれは、練習強度のアップなどメリットももたらしたか。
今シーズン5季ぶりに復帰で現在故障療養中のレメキ ロマノ ラヴァも、新しい海外出身者同士の競争がチーム力を底上げしたと頷く。
バンクスもこう話す。
「確かに昨季終了後、多くのメンバーが変わるというチャレンジングなことがありました。ただ、その分だけいい選手が加わり、プラスになったのは間違いない。また、プレシーズンは(昨季より)長かった。そのためフィットネスを上げられた。また、お互いにどんなラインを走るのが好きかなど、フィールド上で役立つ情報を交換できてコネクションも築けた。いい積み上げができました。いまは、試合の時間帯によってはいいプレーができている。それを80分間続けられるようになるのを望み、さらに努力していきます」
レギュラーシーズンは残り5試合だ。よくゲーム主将を任される現役アルゼンチン代表FLのパブロ・マテーラら、現在離脱中のメンバーの復帰が待たれる。
身長186センチ、93キロの最後の砦は「最近は厳しい結果が続いていますが、怪我人が戻ればまだまだ跳ね返せる」と前を向く。