サンゴリアスで100キャップ目前の松島幸太朗、何事も「続ける」のが大事と訴える。

記念日を間近に控える。
東京サントリーサンゴリアスの松島幸太朗は、3月29日、東京・秩父宮ラグビー場での国内リーグワン第13節に出ればクラブ内での通算100キャップを達成する。
ラグビー日本代表に初選出された2013年に加入し、’20年からの2シーズンをフランスのクレルモンで過ごしながらも’22年に古巣に復帰。まもなく大台に達する。
身長178センチ、体重88キロの32歳は、その所感を述べる。
「簡単なことじゃないですし、積み上げてきたものという感覚があります。やっぱり、価値のあることだなと」
東京都府中市内のクラブハウスでは、玄関から2階のフロアへ上がる途中にたくさんの写真が飾ってある。サンゴリアスで100キャップに達した面々の雄姿である。
旧トップリーグ時代に5度優勝の名門にあって、いつしか松島は「(自身の写真も)飾って欲しいな」と思ったという。
「すごいレジェンドのひとりとして認められるよう、これからも積み重ねていきたい」
27日には、本拠地の全体練習後にWTBの仁熊秀斗と1対1の抜き合いのセッションをおこなっていた。
グラウンドを引き上げる際には、報道陣を前に「長くパフォーマンスを維持する秘訣は」と聞かれる。
日本代表として3度のワールドカップに出た名ランナーは、多くの名手が口にする内容を自分の言葉で伝える。
「何事も、続けること。うまくいっている時も、うまくいっていない時も、めげずに基本をやり続ける。(気づいたのは)最近です。意識してきたわけではないですけど、基本は(鍛錬を)怠ると試合には(いい形で)出ないですし、ビッグプレーにも繋がらない。大体、キャリア中盤くらいになると、皆、気づくと思う。続ける人と、続けない人との間では差が出る。続けている選手はそれなりにうまい。毎日、練習が終わった後に5分でも何かをやるというのは、大事なのかなと」
今季はしばらくケガに泣いたが、第10節での復帰から3戦連続で出場中だ。今度の第13節では、持ち場のFBで先発予定である。
3連敗中で12チーム中8位とやや苦しむなか、現在4位の静岡ブルーレヴズと対峙する。
「(自身は)段々よくなっている感覚がある。ビッグプレーを狙いに行くというより、フェーズ中、正しい選択をする。(今季は)なかなか結果には結びついていないですけど、ここで諦めるのと続けるのとでは、結果は変わってきます。(6位以上が進めるプレーオフを)諦めるような順位じゃない。ここから快進撃というものを見せたいと思っています。そのためには、皆で何が足りないかを認識して試合に臨む。チーム一丸となっていかなきゃ」
悩みの種である花粉症も、スタッフに勧められたビタミン剤の摂取で症状を和らげている。季節の変わり目にあってハイパフォーマンスを発揮したい。