国内 2025.03.28

サンゴリアスで100キャップ目前の松島幸太朗、何事も「続ける」のが大事と訴える。

[ 向 風見也 ]
サンゴリアスで100キャップ目前の松島幸太朗、何事も「続ける」のが大事と訴える。
クラブハウスで取材に応える松島幸太朗[東京SG](撮影:向 風見也)

 記念日を間近に控える。

 東京サントリーサンゴリアスの松島幸太朗は、3月29日、東京・秩父宮ラグビー場での国内リーグワン第13節に出ればクラブ内での通算100キャップを達成する。

 ラグビー日本代表に初選出された2013年に加入し、’20年からの2シーズンをフランスのクレルモンで過ごしながらも’22年に古巣に復帰。まもなく大台に達する。

 身長178センチ、体重88キロの32歳は、その所感を述べる。

「簡単なことじゃないですし、積み上げてきたものという感覚があります。やっぱり、価値のあることだなと」

 東京都府中市内のクラブハウスでは、玄関から2階のフロアへ上がる途中にたくさんの写真が飾ってある。サンゴリアスで100キャップに達した面々の雄姿である。

 旧トップリーグ時代に5度優勝の名門にあって、いつしか松島は「(自身の写真も)飾って欲しいな」と思ったという。

「すごいレジェンドのひとりとして認められるよう、これからも積み重ねていきたい」

 27日には、本拠地の全体練習後にWTBの仁熊秀斗と1対1の抜き合いのセッションをおこなっていた。

 グラウンドを引き上げる際には、報道陣を前に「長くパフォーマンスを維持する秘訣は」と聞かれる。

 日本代表として3度のワールドカップに出た名ランナーは、多くの名手が口にする内容を自分の言葉で伝える。

「何事も、続けること。うまくいっている時も、うまくいっていない時も、めげずに基本をやり続ける。(気づいたのは)最近です。意識してきたわけではないですけど、基本は(鍛錬を)怠ると試合には(いい形で)出ないですし、ビッグプレーにも繋がらない。大体、キャリア中盤くらいになると、皆、気づくと思う。続ける人と、続けない人との間では差が出る。続けている選手はそれなりにうまい。毎日、練習が終わった後に5分でも何かをやるというのは、大事なのかなと」

 今季はしばらくケガに泣いたが、第10節での復帰から3戦連続で出場中だ。今度の第13節では、持ち場のFBで先発予定である。

 3連敗中で12チーム中8位とやや苦しむなか、現在4位の静岡ブルーレヴズと対峙する。

「(自身は)段々よくなっている感覚がある。ビッグプレーを狙いに行くというより、フェーズ中、正しい選択をする。(今季は)なかなか結果には結びついていないですけど、ここで諦めるのと続けるのとでは、結果は変わってきます。(6位以上が進めるプレーオフを)諦めるような順位じゃない。ここから快進撃というものを見せたいと思っています。そのためには、皆で何が足りないかを認識して試合に臨む。チーム一丸となっていかなきゃ」

 悩みの種である花粉症も、スタッフに勧められたビタミン剤の摂取で症状を和らげている。季節の変わり目にあってハイパフォーマンスを発揮したい。

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