ブルーレヴズで爆発のヴァレンス・テファレ グラウンドキーパーの過去も

澄んだ瞳と豊かな口ひげが特徴的。パワー抜群のヴァレンス・テファレがジャパンラグビーリーグワンを席捲する。
前年度1部で12チーム中8位の静岡ブルーレヴズへ加入したと、12月中旬に発表。直後に開幕を迎えると、初戦から豪快なフィニッシュを決めた。
以後は東芝ブレイブルーパス東京、埼玉パナソニックワイルドナイツといった昨季のファイナリストとのバトルでも活躍。4トライを刻み、チームも4位と好位置につける。
キャリアの多くを衝突の激しいラグビーリーグ(13人制)で過ごしてきたとあり、突破のほか、迫る走者をなぎ倒すタックルが得意だ。
「(日本でのプレーを)楽しんでいます。テンポにも慣れてきた」
身長182センチ、体重112キロの24歳。ニュージーランド出身だ。
楕円球と出会ったのはセントポールカレッジからと遅い。オーストラリアに渡ってラグビーリーグ(13人制)に転向してからは、グラウンドキーパーの仕事をしながら競技を続けた時期もあった。
「グラウンドキーパーがどれだけ頑張っているかを、私は知っています」
裏方への感謝を口にしたのは3月15日。雨に降られた本拠地のヤマハスタジアムで第11節を終えてからだ。
「きょうみたいに雨が降った日は、乾燥させなければいけない。また、はがれた箇所には種を植えなきゃいけません。あとは冬芝と夏芝にも違いがあって、色々と深いのです」
ちなみにこの午後は、昨季のレギュラーシーズンで首位のワイルドナイツを22-17で下していた。
ラグビーリーグのドルフィンズを経てブルーレヴズ入りするにあたり、最大で「123キロ」あった体重を絞っていた。きれと体力を整えたつもりだったが、合流初日の練習で面食らった。息つく間もないタックルセッションで知られるジョン・ドネヒューアシスタントコーチの「道場」で、胃酸を逆流させたのだ。
タフなセッションで力を伸ばせることは、その後の自らの活躍で再確認できただろう。
「練習でハードワークしたら、試合をやる時には(問題ない)」
いまの目標は「このまま成長していくことです。先を見過ぎず、毎週、毎週の試合にフォーカスします」。長期滞在が待たれるひとりだ。