国内 2025.03.02

【リーグワン】ワイルドナイツがラスト20分に真価を発揮。スティーラーズから勝ち点5を挙げ首位堅持。

[ 編集部 ]
【リーグワン】ワイルドナイツがラスト20分に真価を発揮。スティーラーズから勝ち点5を挙げ首位堅持。
タックル、スティール、ボールキャリーとこの日も随所に存在感を示したFLベン・ガンター(撮影:福地和男)



 埼玉パナソニックワイルドナイツとコベルコ神戸スティーラーズ。三洋電機と神戸製鋼の時代から幾多の名勝負を演じてきた東西両雄の伝統の一戦は、今回もやはり激しい熱闘となった。

 序盤からグラウンドの左右いっぱい、さらには高低までを駆使した見応えある蹴り合いが展開される中、先制したのはワイルドナイツだった。開始15分、左コーナーのラインアウトからFWで近場を前進し、SH小山大輝がタイミングよく左ショートサイドへパス。NO8ジャック・コーネルセンがタックラーをかわしてトライゾーンへ飛び込む。

 しかしスティーラーズもすぐに反撃。キックオフからディフェンスで圧力をかけて相手陣22メートル線内でマイボールスクラムを得ると、FWが自慢の推進力を押し出してたたみかける。最後はNO8ワイサケ・ララトゥブアがポスト右に力強くフィニッシュした。

 その後、ワイルドナイツが20分にCTBダミアン・デアレンデのトライで10-7と逆転するも、スティーラーズは26分にSOブリン・ガットランドがショットを通し同点に。さらに双方がPGを1本ずつ加え13-13で迎えた34分、スティーラーズがFLヴィリー・ポトヒエッターのトライで勝ち越せば、ワイルドナイツもその4分後にWTB丹治辰碩がトライラインを越え、すかさず20-20のイーブンに戻す。

 一進一退の展開の中、大きな分岐点が訪れたのは40分過ぎだった。スティーラーズが相手レッドゾーンへ攻め込んだところで、ワイルドナイツのFB野口竜司がデリバレイトノックフォワードによりイエローカードを受ける。

 数的優位になったスティーラーズはこのペナルティからラインアウトを選択し、モールを押しきってHO松岡賢太がグラウンディング。27-20とスティーラーズが先行して前半を折り返した。

 スティーラーズの優勢は後半に入ってからも続く。7分、相手陣ゴール前で粘り強く攻撃を継続し、右大外にオーバーラップを作ってWTBアタアタ・モエアキオラがフィニッシュ。これでスコアは32-20まで広がった。

 しかし、ワイルドナイツの真価が表れるのはここからだった。

 まずは17分、5分以上にわたって相手陣22メートル線内で攻め続け、クイックタップからCTBデアレンデがトライラインを超えると、60分には中盤のスクラムを起点にデアレンデ→WTBヴィンス・アソで仕留めて34-32と試合をひっくり返す。

 これで完全に流れを引き寄せたワイルドナイツは、23分にもFLベン・ガンターが右タッチライン際を力走して3連続トライ。スティーラーズとのトライ数差を「2」に広げると、激しい肉弾戦のダメージが蓄積する終盤も残る力を振り絞って懸命に攻めの姿勢を維持する。

 そして迎えたロスタイム。相手ゴール前のスクラムから粘り強くフェーズを重ね、最後はSO山沢京平が左中間に飛び込む。これで3トライ差以上のボーナスポイントを加えた勝ち点5を手にし、総勝ち点を44に伸ばして首位を堅持した。

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