韓国協会会長にシム・ヨンボク元副会長が就任。前会長チェ・ユン氏を会長選挙で下す
2025年1月24日に発足した第25代の韓国協会=大韓ラグビー協会の新体制。1月13日に会長選挙をおこない、元副会長でソウル市ラグビー協会会長を歴任したシム・ヨンボク氏が(61歳)が当選した。
選挙は市・道・郡などの協会代表者、役員やレフリーなど選挙人124名中95名が投票し、シム氏は60票を獲得。再選を目指した前会長のチェ・ユン氏(61歳)の34票を上回った。任期は1月24日から4年間だ。
シム氏は「誰もがラグビーを楽しめる環境を作っていく。地域に密着したライフスタイルのスポーツという地位を確立する」と述べた。
具体的な事案では「ラグビー専用スタジアムの確保」「ユース世代の活性化」「レフリーの育成と強化」「全国セブンズ大会の設立」「市、道など地域ラグビー協会とチームの設立支援」などを挙げる。代表チームに関しては「その選考とパフォーマンス強化」を進めていく。
シム氏は伝統校、ソウル大学校師範学部附属中学でラグビーに触れた。同高校を卒業すると名門の漢陽大(ハニャン)へ入学後もラグビーを続けた。現在、同大学にラグビー部は無い。母校の附属中高のコーチを務めるなど後進の育成にも取り組んだ。2014年にソウル市ラグビー協会会長、’16年23代体制から大韓協会副会長に。ビジネスではルマンバイオという企業の会長職を務める。
一方、4年前に在日3世として初めて会長に就任したチェ氏は涙を飲んだ。やはり23代体制で副会長になると国際化などを進めてきた。今回の選挙前、韓国メディアの取材に「この4年間で、まだやりたかったことの50%も達成していない」と再選への思いを話した。
去年から始めたユース世代への一部大会での試合遠征時の交通費・宿泊費・食費無料支援の拡大。さらに昨年11月にジンバブエ男子代表を招いて実施した韓国代表との合同練習・試合から続ける2027年ワールドカップ出場を目指す代表強化。今年2月には大手民放SBSが放送を開始するラグビードラマ「トライ」を通じたラグビーというスポーツの国民への認知、普及を訴えた。しかしシム氏の半分しか賛同を得ることができなかった。
【韓国男子代表は新年から九州で強化】
2027年、豪州で開催されるワールドカップ。アジア地区には、すでに出場権を持つ日本を除き来年2025年春のアジアラグビーチャンピオンシップ優勝国が1枠を与えられる。
この1枠を確保するため韓国男子代表の強化継続がおこなわれている。新年は1月14日から九州、大分県に来日し基本的なトレーニングを開始した。
19日から2月2日までは福岡県のジャパンベースを拠点に練習をおこなっている。今回はバックスも参加。1月25日に九電KVと合同練習を公開でおこなった。スクラムやラインアウトをお互いにのマイボールで組み合う。さらにスクラムからのアタックを繰り返した。
今回のセッションを楽しみにしていたのは九州KVに在籍する韓国出身選手たち。HO王鏡聞(ワン・キョンムン)とLOキム・ギヒョンだ。特にキムはソウル大附属高から流経大へ留学した。まだチーム2年目。韓国代表のメンバーには同世代が多い。
「韓国の選手たちとプレーするのは高校以来。高校の時の先輩や、U18代表の同期などに久しぶりに会えて嬉しかった。韓国はとてもフィジカルが強いチームでした。顔を知っている選手がほとんどだったので、一緒にプレーできるのは楽しいですね。このような機会がまたあったら嬉しい」とチームを通してコメントした。
韓国代表は、春に国内のコリアンリーグを終えた後、6月にホームで香港代表とワールドカップの椅子を争う予定だ。