【リーグワン/波乱の第2節振り返り】三重ホンダヒートは32年ぶりにトヨタヴェルブリッツ撃破。ブラックラムズ東京は東京サンゴリアスを20年ぶりに破る。
12月21日に開幕したリーグワン2024-25。第2節(12月28日、29日)にして波乱が相次いでいる。
昨季、D2との入替戦に進んだ2チームが、アップセットを起こしたのだ。
昨季11位の三重ホンダヒートは、昨季7位で国内外のスター選手がずらりと並ぶトヨタヴェルブリッツを敵地で破った。最終スコアは21-17。
これまでの対戦成績は1勝31敗、1992年の関西Aリーグ時代に35-28と勝利して以来、32年間勝ち星のない強敵から挙げた大金星だった。
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就任2季目のキアラン・クローリーHCは「プレシーズンでフィットネスなどとてもきついトレーニングをおこなってきました。その結果、終盤でも離されることなく、逆転に繋げることができた」と成果を語り、「プレーした23人だけでなく良い準備をともにおこなってきたメンバー外の選手たちも誇りに思います。自分たちを苦しめたペナルティーの多さは今後の課題ですが、ポジティブな面が多い試合だった」と振り返った。
昨季10位のリコーブラックラムズ東京は、昨季3位の東京サントリーサンゴリアスを33-32と1点差で制した。実に20年ぶりの勝利だった。
劇的な結末だ。試合終了間際、それまでハットトリックの活躍を見せていたサンゴリアスFB河瀬諒介が左隅に飛び込むも、TMOの判定の結果、ブラックラムズSO中楠一期の決死のタックルで先にタッチラインを踏んでいたことが確認されてノートライに。歓喜の瞬間が訪れた。
昨季の順位通りにいかなかったのは、コベルコ神戸スティーラーズ×横浜キヤノンイーグルスの試合でも起こった。昨季5位のスティーラーズが昨季4位のイーグルスに36-18で快勝した。
リーグワンの初年度と2年目のチャンピオンである、埼玉パナソニックワイルドナイツとクボタスピアーズ船橋・東京ベイの一戦も白熱した。
後半途中まで23-10とリードされていたスピアーズだったが、HOマルコム・マークス、SH藤原忍ら強力なインパクトメンバーを投入して猛追。3分後に最終スコアの24-26とされるまで、24-23と逆転した時間帯も作った。
大差試合は2試合。昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京は、近年着実な成長を遂げている三菱重工相模原ダイナボアーズに61-8で大勝。開幕節でスティーラーズを破った静岡ブルーレヴズは、昇格1年目の浦安D-Rocksを62-19で下した。
レギュラーシーズン18試合のうち2試合を終えたに過ぎないが、昨季と大きく異なる順位となっっている。
連勝は昨季ファイナリストのブレイブルーパス(1位)とワイルドナイツ(3位)。そして、ブルーレヴズ(2位)とヒート(4位)のみ。ヴェルブリッツ(9位)、サンゴリアス(10位)、イーグルス(11位)が連敗で下位に位置する。
2季連続の4強入りでプレーオフ進出を果たしている、イーグルスの沢木敬介監督は「今シーズンに限らず、昨年ぐらいから簡単に勝てる試合はほぼありません。毎週危機感を持ちながら、自分たちの思う良いラグビーをしないと勝てないリーグになっている。スキルだけでなく、メンタルをしっかりとコントロールし、良いパフォーマンスを出すためのマインドを作れないと、それが点数差に現れる」と見解を示した。