国内 2024.12.17
矢野武アナウンサーも注目するホンダヒート。期待の若きスクラムハーフ・北條拓郎に話を訊いた。

矢野武アナウンサーも注目するホンダヒート。期待の若きスクラムハーフ・北條拓郎に話を訊いた。

HEAT Way -Rise Up- 3年後リーグ優勝へホンダヒートの挑戦が始まる

[ 編集部 ]
矢野さんのトーク力で北條選手の素顔がどんどん浮き彫りになっていく(写真:ラグビーマガジン)

三重ホンダヒートの加入からデビューまで。

――シーズンを終えて、すぐにアーリーエントリーでの三重ホンダヒートへの加入が発表されました。加入の決め手は。

 僕を一番に欲しいと思ってくれるチームに行こうと決めていました。それがディビジョン2(当時)でも関係なく。ヒートは一番に声をかけてくれましたし、GMの前田(芳人)さんやチームディレクターの向久保(孝)さんが天理に何度も来てくれました。

――大学とリーグワンはやはりレベル差はありましたか。

 そうですね。特に外国人選手は手足も長いし、強さは感じました。でもまったく通じないなという感覚はなくて。むしろ「いけるぞ」と思えたことの方が多かったです。

――スクラムハーフはスター選手揃いです。

 そうですね。特にコベルコ神戸スティーラーズの日和佐(篤)さんは上手でした。
 でも、試合では思い切りタックルいったる、くらいの気持ちで戦っています。花園近鉄ライナーズ戦ではクウェイド・クーパーにハイタックルしてレッドカードをもらいました。アーリーエントリーでレッドカードをもらうのは僕だけだと思います(笑)。

――ヒートに来てから、チームにはすぐに馴染めましたか。

 ヒートはみんな仲良くて、明るいチームです。チームに合流してからみんなめちゃくちゃ優しくて、すぐにチームに溶け込めました。
 古田凌さんや天理高校で先輩の小林(亮太)さん、根塚(聖冴)さん、山路(健太)さん、(呉)洸太さん…。名前を挙げるとキリがないのですが、みなさん本当に優しいです。

トレーニングでの一枚。チームにはすぐに溶け込めた(写真提供:三重ホンダヒート)

――北條選手は社員選手ですよね。

 エンジン管理課というエンジン製造の部品を管理する部署に所属しています。同じ部署の先輩の服部(航介)さんにはすごくお世話になっていて。会社のことは全部教えてもらいましたし、クラブハウスでも気にかけてくれます。実の兄よりお兄ちゃんです(笑)。

――社員の人たちも応援してくれる。

 職場でも頑張ってこいよと言ってもらえますし、グループリーダーの片山さんは野球をしていたので、スポーツに理解のある方で、いつも背中を押してくれます。

――個人的に推しの選手はいますか。

 それはもう中尾隼太さんです! しっかりしているんですけど、ふざける時は全力でふざける方で、めちゃくちゃ面白いです。

ロンドンの名門・ハーレクインズへの留学と今季に向けて。

――10月には、ヒートがパートナーシップを締結しているハーレクインズに一緒に行ったのですね。

 めちゃくちゃ楽しかったです。隼太さんは英語ペラペラなので、ミーティングの内容などをいつも教えてくれました。
 隼太さんとイングランドに行けたのはすごく大きくて、隼太さんのラグビーの考え方をたくさん聞くことができて、隼太さんからも、ハーレクインズからもいろんなことを吸収できました。

――代表期間だったので、マーカス・スミス選手はいなかったけど、SHダニー・ケア選手はいたようですね。イングランド代表100キャップ超えの名選手です。

 シーズン中なのであまり時間はなかったのですが、キックをレクチャーする時間を作ってくれました。細かいスキルも教わったのですが、考え過ぎず自分のやり方でやるのが一番良いと言われました。

SO中尾隼太とハーレクインズのダニー・ケアとのショット(写真提供:三重ホンダヒート)

――今シーズンの開幕も近づいてきました。チームの状況はいかがでしょう。

 プレシーズンで試合を重ねる中で、自分たちの強みも見えてきて良いところもいっぱい出てきました。今シーズンは(目標としている)トップ6を狙えるのではないかと感じています。

――今季、三重ホンダヒートは選手やコーチが大幅に入れ替わりましたね。

 僕も驚きました。プロの選手がいっぱい入ってきて、昨年とは違ったレギュラー争いができていると思います。チーム内が活性化されて、どんどん強くなっていると感じます。

――チームの戦い方やキアラン・クローリーHCのスタイルの浸透具合はいかがでしょう。

 キアランは大きくボールが動くアタックがしたいので、本当に面白いラグビーになると思います。それを僕と10番で組み立てたいですし、バックスリーにはボールを持って走れる選手がいます。良い形でボールを渡したいです。

――注目選手はいますか。

 ジョニー(ファアウリ)さん、マノ(レメキ ロマノ ラヴァ)さん…。あとバックスリーは全員、注目してほしいです。

――レメキさんは久々のヒート復帰です。彼の存在はいかがでしょうか。

 本当に大きな存在です。チームの雰囲気が硬くなり過ぎていたら、柔らかくなるような言葉を言ってくれますし、でも時には厳しいこともしっかり言ってくれます。
 一緒にBKリーダーをさせてもらっているので、いろいろと勉強させていただいています。

――リーダーとして北條選手はどのような役割を担っているのでしょう。

 まだ1年目なのであまり言葉で引っ張っていくのは難しく、そこはマノさんに任せてしまっていますが、試合になればスクラムハーフはゲーム組み立てる選手の一人として、いかに冷静にゲームを見ることができるかが僕の役割になると思っています。

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