【関東大学対抗戦】慶大が青学大撃破で今季初勝利。立教大は日体大を下す。選手権争いは大混戦に。
■関東大学対抗戦Aグループ・10月27日@栃木県総合運動公園第2陸上競技場(栃木)
【慶應義塾大 20-10 青山学院大】
慶大が4戦目にして初勝利を手にした。2節前に筑波大を破り、確かな実力を示した青山学院大相手に苦しみながらも20-10で勝ち切った。
FLキーヴァーブラッドリー京のキックチャージを起点に相手陣に攻め込み、まもなく得たPKを3点に変えたのが前半5分。
しかし、以降はスクラムで大きく後退し、モールでも30㍍近い前進を許す。
11分のCTB榎本拓真のトライと、24分のPGで3ー10と逆転された。
それでも、劣勢のセットプレーから用意されたアタックで幾度もモメンタムを生んだ。
7点差とされた2分後には、CTB今野椋平のゲインからWTB小野澤謙真のトライで同点に。37分にはSH小城大和の突破などで敵陣に攻め込み、FL中野誠章のトライで勝ち越した。
前半終了間際に招いたピンチは、FL中野がジャッカルで防ぐ。
17-10で迎えた後半にも中野はジャッカルで奮闘。LO中矢健太らも粘り強くブレイクダウンで戦い続けた。
慶大は不用意なペナルティなどから堅い守りを披露してもなかなか攻撃に転じることはできなかったが、集中力は切らさなかった。
ただ結局、10分のPG以降は両者のスコアボードは動かず。慶大がボーナスポイントを与えずに10点差のまま逃げ切った。
敗れた青山学院大のCTB河村凌馬主将は、再三逃した敵陣ゴール前での好機について、「常にBKの展開というオプションは持っていたが、ブレイクダウンでプレッシャーをかけられ、自分たちの思うようなタイミングが作れなかったり、意図してないところにボールを運んでしまったことで良いシチュエーションが作れず、少し弱気になってしまった。そこでBKに展開できませんでした」と話した。
今日の結果で立教大の勝ち点が11となり、青山学院大は9のままでふたつ上回られた。慶大は勝ち点8だが、まだ1試合多く残している。
河村主将は「選手権出場を考えればボーナスポイントもかんがえていかないといけない。派手なプレーはできないけど、一つひとつ丁寧に積み重ねていきたい」と語った。
今季初勝利の慶大で主将のHO中山大暉が、この試合前に掲げたキーワードは「ポジティブ」だ。
スクラムで劣勢になるシーンは多く、自陣深くに何度も攻め込まれたが、その度に前向きでいた。
「過去の試合を見ても相手が良いセットプレーを持っていて、こちらが上手くいかない時間帯は当然あると考えていました。ターニングポイントとなる試合で緊張して固くなってもしょうがない。開き直って、次の1本に集中しようと。そこで焦ることはありませんでした」
「接戦を勝ち抜けたのは自信になっている。ただこの勝利で安心するのではなく、より加速させていく。大学選手権ベスト4の目標に向けてステップアップすることを次の試合までにやっていきたい」と続けた。
<次戦日程>
・11月10日(日) 慶大 vs 立教大@スピアーズえどりくフィールド
・11月17日(日) 青学大 vs 日体大@AGFフィールド