ディラン・ライリーに驚き。U20日本代表・上田倭士は動いて、繋がる。
大切な勝負を目の前に控える。
20歳以下(U20)日本代表は現地時間7月2日から、ワールドラグビー主催のU20トロフィーに挑む。
舞台はスコットランドだ。エディンバラのマレーフィールドの隣、ハイヴスタジアムで繰り広げられる。
U20日本代表はプールAに参加する。
初戦でホンコン・チャイナ、現地時間7日の2戦目でサモア、同12日の3戦目でスコットランドのU20代表と対戦。プールAを首位通過し、かつプールBのトップとの順位決定戦を制すれば、来季から上位大会のU20チャンピオンシップに進める。若年層の国際経験を豊かにできる。
チームは大久保直弥ヘッドコーチのもと、陣地を問わず組織的に攻めようとしている。
ここで味方同士を首尾よく繋ぎそうなのが、帝京大2年の上田倭士だ。
身長180センチ、体重84キロで、鋭い角度でのラン、タックラーを引き寄せながらのパスを繰り出す。
「次のプレーが終わったらすぐに次のプレーへ。スペースを見つける、走り込むことを学んでいます」
将来的には複数のポジションをこなせる選手になりたいが、今度のホンコン・チャイナ戦では主戦場のアウトサイドCTBで先発する。アタックでのパフォーマンスが期待されるなか、本人は「今年はディフェンスをよくしていきたい」とも述べる。これから幕が明けるステージでも、強いタックルを放つつもりだ。
「身体をぶつけるシチュエーションで姿勢が悪く負けるシーンが多い。そこで強い姿勢を取りたい」
集団で動く意識もある。
誰かが好タックルを決めた場所で、周りの選手がボールに絡む…。いったん向こうの走者に刺さった人は、すぐに起き上がって次の防御ラインに入る…。
この繰り返しで数的不利を作らず、「1対2」で相手を倒し続けたい。
「(防御)個人個人だと、身体の当て合いで負けてしまうことは、僕だけではなく(U20日本代表)全体にある。ただ、2人で(タックルに)行ったシーンは全部が全部差し込まれるわけではない。1対2の場面をできるだけ多く作れるかがキーです」
チーム全体で動き始めたのは3月からで、FW陣は2月からキャンプを張った。国内リーグワンのクラブで武者修行ができた。U20チャンピオンシップから降格した前年度のU20日本代表より、動き出しは早かった。
6月には、日本代表との実戦形式練習を実施した。先方の宮崎合宿へ出向いて実現した。
上田は、自身の対面にいたディラン・ライリーに驚かされた。昨秋のワールドカップフランス大会にも出た万能戦士に、「速くて、身体も強くて、ディフェンスもうまい」と感銘を受けた。
「どこを見ても自分より優れている。(攻めている間は)いつも目の前にいる感じでした」
同世代のグループに対峙する前に、上には上がいるとわかったのがよかった。ターゲットの大会でミッションをクリアすべく、できる限りの準備はしてきたつもりだ。