日本代表 2024.07.02

初のインターナショナルマッチで感じたもの。佐藤健次[早大]、本橋拓馬[帝京大]、森山飛翔[帝京大]

[ 編集部 ]
初のインターナショナルマッチで感じたもの。佐藤健次[早大]、本橋拓馬[帝京大]、森山飛翔[帝京大]
左から森山、佐藤、本橋(撮影:高塩隆)

 エディー・ジョーンズ日本代表HCは、6月29日のマオリ・オールブラックス戦で大学生4人を起用した。

 前週のイングランド戦で日本代表デビューを飾った早大2年のFB矢崎由高のほか、早大4年で主将のHO佐藤健次、帝京大4年のLO本橋拓馬、帝京大2年のPR森山飛翔の3人がいずれもリザーブから初めてインターナショナルマッチの舞台に立った。

 エディーHCは「若いメンバーの伸びしろに期待している。今後のトレーニングがパフォーマンスに繋がると固く信じている」と試合後に話していた。

「4人のアマチュアの選手がプロの試合に出たことは特別なことだと思っています。特に矢崎の成長は目まぐるしい。マオリ・オールブラックスという強いチームに対して、恐れることなく、ひるむことなくプレーしていた。明らかにイングランド戦よりも成長していた」

 先発した矢崎に続き、後半23分に出番が訪れたのは佐藤と本橋だ。
 本橋は7番の山本凱と交代。「人生初」というフランカーの位置に入った。

「交代で6番に入ると、試合前日に言われました(笑)。でも、自分としてはやるだけでしたし、自分の強みを出すだけでした。フランカーができればプレーヤーとしての幅も広がる。この舞台で経験できたのはすごく大きかったです」

 エディーHCが「痛い学びとして今後の糧になる良い機会だった」と話したのは、本橋が敵陣22㍍内で二度のノックオンをしてしまったシーンだ。
 本橋自身は「自分らしくなかった」と反省するも、決して表情は暗くなかった。

「思っていたよりも緊張することなく臨めたのですが、これも緊張なんですかね…(笑)。手がスリッピーでした。コンタクト自体は思ったよりも勝負できる手応えはありました。次はしっかりボールをキャッチして落とさないようにしたいです」

 学生のうちにインターナショナルの舞台を経験でき、「シンプルに嬉しい」と喜びを口にする。
 今後への思いも語った。

「(ヘッドコーチが)エディーさんに代わって若い大学生が選ばれるようになったので、自分はそれにふさわしい選手にもっとならないといけないと思っています。自分がどれだけできるかチャレンジする場です。この先も試合に出られれば、一戦一戦、経験を重ねてもっと良いプレーヤーになりたい」

 桐蔭学園の先輩にあたる原田衛との交代でグラウンドに入った佐藤は、「成長するしかないな、という感想しかない」と、出場できた喜びよりも課題を多く語った。

「まだまだ足りないところがいっぱいあります。ラインアウトではコールやサインが少し(認識と)違っていて、分からない状態が続いてしまった。しっかりクリアにして次は臨みたいです。
 スクラムは取り組んでいることが少しずつできている。オーウェン(・フランクスアシスタントコーチ)は一緒に組んでくれるし、すごく具体的に細かい指示を出してくれます。衛さんや坂手(淳史)さんと組む方が(試合よりも)重いこともあるので、今日(のパフォーマンス)は良かったと思います。
 あとはフィールドプレーでしっかりコールできればチャンスが広げられたところがあった。徐々に持ち味を出していきたいです」

 一歩一歩階段を上がるイメージだろうか。成長を加速させたいと話すも、「焦らずにどんどんアジャストしていきたい」という。
「今はついていくので精一杯ですが、1試合経験できたことで少しずつゆとりが出てくると思っています」

 右PRの森山は28分に登場した。
 佐藤と同様に「もう少し余裕を持ってプレーしたい。そしたらもっといろんなものが見えてくると思う。システムのことで頭がいっぱいでした」と話した。

「もちろんチームが負けたことも悔しいし、自分のパフォーマンスも悔しいです。ファーストプレーで相手に抜かれ、トライを取られました(29分/ラメカ・ポイピピのトライ)」

 同級生の矢崎に「気にすんな」と声をかけられ、「正直あまり気にしてなかったのですが、矢崎に言われて逆に気にしました。やっぱ俺のせいかと(笑)」。

 限られた時間で得意のボールキャリーを披露することはできなかったが、「一度タックルにいった時は、そんなに悪い感覚ではなかったです。もっと自分のレベルを上げて、通用できるように頑張りたい。矢崎があれだけできていたので」と思いを語った。

 それぞれが7月6日でのマオリ・オールブラックスとの再戦での成長を誓った。

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