各国代表 2024.06.26

香港代表が5連覇、2位はUAEが躍進。男子アジアラグビーチャンピオンシップ2024

[ 見明亨徳 ]
香港代表が5連覇、2位はUAEが躍進。男子アジアラグビーチャンピオンシップ2024
大会5連覇を達成した香港代表(©香港ラグビー協会)



 日本を除いたアジア最強を決める「アジアラグビーチャンピオンシップ2024」が、6月22日に終了した。最終節で大会5連覇を期す香港代表が韓国代表を67-7(前半34-0)と寄せ付けず、3戦全勝で優勝を飾った。前節で韓国を破ったUAE代表はマレーシア代表と対戦し、前半の最後につき放して62-19(40-12)で勝ち2勝目。2位を確保した。韓国が3位、マレーシアは3敗で最下位となった。

<最終節、香港が前半で韓国を圧倒>
 香港でおこなわれた最終戦。9トライを奪った香港が圧倒した。
 4分の先制点は韓国ボールのラインアウトを香港がターンオーバー、敵陣でPKを得るとタップで再開し、CTBトーマス・ヒルがポスト左へ運んだ。コンバージョン(G)は好調なFBポール・アルティエが決めた。さらに9分、15分とアルティエがPGを蹴り込んで13-0とする。

 19分、韓国が相手ボールを奪い22メートルへ迫ると、香港が危険なタックルを見舞いPK。韓国SOチョン・ブヒョンが右中間からPGを狙ったが、右に外れた。

 4分後、元日野レッドドルフィンズの韓国WTBチョン・ヨンシクが自陣でパントをノックオン。相手に右中間スクラムを与えた。香港はそこからボールを左右に動かすと、NO8ルーク・スミットが左中間インゴールへ入り中央へ押さえる。29分には右ラインアウトから継続し、FBアルティエがファイブポインターに。Gを決めて27-0。

 41分、終了のホーンが鳴る中で韓国が自陣で攻撃を続けた。SOチョンがボールを蹴るも短く、香港へ渡る。難なくWTBハリー・セイヤーズが仕留め、34-0となって試合の行方はここで決まった。

 香港は後半も8分に若手SOマッテオ・アビタビレが左隅へ飛び込むなど、5トライ33点を追加した。NO8スミットはハットトリックを決めた。

 韓国唯一の得点は12分、キックリターンのボールを自陣で受けたWTBチョンが香港陣10メートルでグラバーキック。ボールを左タッチ際へ転がす。インゴール手前で追いかけた香港SOアヴィタバイルの腕がチョンの首にかかり、TMOの結果、滑川剛人レフリーがペナルティトライを与えた。

 試合後、アンドリュー・ダグラス香港ヘッドコーチは「前半から相手にプレッシャーをかけるプランが達成できた。早い段階で相手を負かすことができ、この暑い天候で優位に立てた」。今大会で代表デビューしトライも決めたSOマッテオ・アビタビレら若手について、「マッテオはまだ21歳。若い才能が台頭してくるのは良いこと」と期待をこめている。香港代表は、6月30日から3週間の南米ツアーをおこない、チリ、パラグアイ、ブラジルと対戦する。

 敗れた韓国。今回は春季のコリアンリーグに出場した現代グロービス、OK金融、軍体育部隊、高麗大からメンバーを選出した。初キャップを得た選手が多かった。

 李明根監督(イ・ミョングン。元クボタスピアーズSH)は、「UAE、香港と敵地の暑さの中でフィジカルが強い外国人選手と戦った経験は、今後の選手たちのスキル発展の基礎になる」としたうえで、「9月のアジアセブンズシリーズ、2025年アジアチャンピオンシップに向けて準備する」とコメントした。

3位に終わった韓国代表の攻撃(©大韓ラグビー協会)

 次の2027年ワールドカップではアジアの出場枠が、すでに出場権を得ている日本を除き1.5枠に増えるという。アジアチャンピオンシップ優勝国が本大会出場枠を勝ち取り、2位は他の大陸との予選に回る。それだけに2025年のアジアチャンピオンシップに臨む参加国の強化が一層、進むことになる。

<UAEが2連勝で2位確保>
 ドバイでおこなわれたUAE対マレーシア戦。UAEは前節、韓国を後半に逆転し36-32で勝利している。マレーシアは香港に10トライを献上し、6-70で連敗。

 UAEは前半2分、左WTBトビアス・オークリーが先制のファイブポインターになる。続けて2つのトライを加え、19-0とリードした。一方マレーシアは18分、ゴール前へ持ち込むとFLシャリフ・ムザイメイが仕留める。4分後にはNO8モハメド・ジャマルディンのゲインからチャンスをつかみ、主将SHモハマド・イスマイルがインゴールへ入った。SOリー・チャップマンのG成功、19-12と7点差に迫る。

 UAEは、この後26分、ハットトリックを記録したUAE右WTBサキウサ・ナイサウの1本目のトライなど3連続トライ。40-12でハーフタイムへ。

 マレーシアは後半6分、バックスのヘンリー・プレストンがUAEのパスをインターセプトし、70メートルを走り切った(40-19)。しかしUAEは25分、41分とNO8ナイサウの2トライなど4トライ22点を奪い、62-19で2勝目を挙げた。

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