イングランド代表52-17日本代表。エディー・ジャパンの初陣は「超速ラグビー」の片鱗見せるも、大敗スタート。リーチ主将「この経験は自分たちの財産になる」
ラグビー日本代表は6月22日、イングランド代表と国立競技場で対戦し、52-17で大敗した。
エディー・ジョーンズHCの初陣を、勝利で飾れなかった。
先制点は日本だった。
指揮官が掲げる「超速ラグビー」の片鱗を見せた。
ラインアウトを素早く投入し、テンポの速いアタックを展開。22mライン外側でペナルティを誘い、SO李承信がPGを沈めた(2分/3-0)。
その後も、相手の反則からPKを得ればすぐさまタップで速攻を仕掛ける。バックドアやループを駆使して細かく、そして速くパスを繋ぎ、イングランドを翻弄。前進を続け、敵陣ゴール前に迫った。
しかし、仕留めきれなかった。モールで相手のプレッシャーを浴び、スクラムで反則を繰り返した。
14分には逆転も許す。連続攻撃から最後はFLチャンドラー・カニンガムサウスにゴールラインを割られた(3-7)。
ジャパンはSH齋藤直人の裏へのキックやWTBジョネ・ナイカブラのランで再び相手陣深くまで侵入するも、イングランドの粘り強いディフェンスを前にスコアできない。ジャパンを完全に黙らせたのはSOマーカス・スミスだ。
24分、ハーフウェイライン付近のラインアウトから、スミスが鮮やかにギャップを突いてそのまま走り切る。その直後には50:22キックを決めてチームを前進させ、まもなくWTBイマニュエル・フェイワボソをロングパスでアシストした(29分)。
攻め疲れも見えたジャパンは、前半終了間際にも失点を許す。インターセプトを起点にCTBヘンリー・スレードがトライ。このラストパスもスミスのキックだった。
イングランドの強固なディフェンスと激しいブレイクダウンを前に、日本代表は3-26で迎えた後半もテンポを出せない時間帯が続いた。
次第にセットプレーも支配され、3分、9分、18分と3連続失トライ。3-45までリードを広げられた。
息を吹き返したのは終盤だ。リザーブが役割を果たす。
控えSO松田力也が裏へのキックでチャンスを作ると、背番号20で初キャップを得たFL山本凱が細かいステップを刻んでゴール前まで迫る。大外に展開し、WTB根塚洸雅がファーストトライスコアラーとなった(26分)。
その3分後には、LOワーナー・ディアンズが長い手を伸ばしてファンブルしかけたボールを確保すると、勢い良く飛び出したディフェンダーとの入れ替わりでロングゲインを勝ち取る。この日急遽メンバー入りしたFB山沢拓也にラストパスが渡った。
連続トライで17-45と差を縮めた日本だったが、シンビンと退場者(レッドカード)を出したイングランドに試合終了間際にもトライを奪われ、ノーサイドの笛が鳴った。
エディーHCは「まずは非常に残念な結果で悔しく思っています。ですが、非常に大きな糧を得ることができました。セットピースでイングランド相手に競り合うことができたのは、非常に大きなステップアップと感じています。アタックに関しても良い方向性に進んでいることを示せたと思います、チャンスを活かす局面が多くありました。ただ、活かし切ることができなかったのは今後の課題です」と話した。
また、FLリーチ マイケル主将は「結果的に悔しいですが、この経験は必ず自分たちの財産になる。若い選手もどんどんでてきて、イングランドというトップのトップとやれたところもたくさんあった。自信持てるところは自信をもって、直すところは直す。次の試合に向けてもっといい準備をして頑張りたいと思います」とコメントした。