「しながわ運河まつり」で楕円球アピール。トップイースト昇格のJR東日本、地元活動の幅を広げる
「思ってたよりも、面白かった!」
「おれもラグビーやりたい!」
ラグビーボールを初めて手にした小学生が選手と一緒に笑顔になった。
4月14日、品川区で開催された「しながわ運河まつり」で、トップイーストC所属のJR東日本ラグビー部がラグビー体験教室をおこなった。
参加したのはプレー経験のない小学生たち15人ほど。小さなきょうだいもボールと、選手と、ふれあった。JR東日本レールウェイズは全員が社員。駅員や運転士、整備士など首都圏で働くサラリーマン選手だ。この日は、中里一大GMはじめ6人が参加した。選手たちは、子どもたちの保護者もプレーの輪に呼び込んで場を盛り上げた。ふだんはサッカーに親しむ子、運動経験のない子など、参加した子どもたちは、それぞれが自分の得意や楽しさを味わった。
会場となった東品川海上公園、天王洲公園は、同12〜14日にかけ3万人が集まる賑わいを見せた。イベントを楽しむ多くの人に、楕円球と、グリーンのジャージーをまとった選手たちの姿を印象づけた。
JR東日本は今年、トップイーストCで昇格1年目を迎える。品川区は大井町の事業所内で60年以上活動を続ける傍ら、住宅地と歓楽街が接近した界隈のごみ拾い活動など、地域活動を長くおこなってきた。地元のしながわバンブーRFCとの連携、小中部活動への会場提供などラグビーでの貢献にも近年、力を入れている。部員たちは3月に、しながわバンブーへのグラウンド招待、戸越公園駅での商店街まつり参加、4月4日には、同じく品川区の小山台高校への指導をおこなった。
4月14日の体験教室でMCを務めた近藤優大選手は今季、副将に就任。「品川区との連携を通して、私たちも、チームとしての新たな価値を感じることができている」と積極的だ。
「子どもたちと関わる機会も増えました。何より『楽しい!』をいちばんに感じてもらいたい。実際に体験に来てくれた子が、JRの試合を見に行きたい! と言ってくれたこともあった。これからもたくさんの方々に愛されるチームを目指したい」。地元での活動に手応えを感じている。
今回参加したイベント「しながわ運河まつり」は、同実行委員会、特定非営利活動法人なぎさの会が主催。行政主導ではなく、いわば地元の親父さん、ママさんたちが企画し、15年かけて輪を広げてきた地元の大きなお祭りだ。選手たちは、地元の活力も新たなエナジーにして、昇格1年目のシーズンへ力を蓄えていく。