国内 2024.04.10

履正社高校ラグビー部、来春創部に向けヘッドコーチに作田敏哉氏を選出!

[ 編集部 ]
【キーワード】,
履正社高校ラグビー部、来春創部に向けヘッドコーチに作田敏哉氏を選出!
履正社高校ラグビー部のヘッドコーチに就任した作田敏哉氏(写真提供/履正社)

 2025年創部予定の履正社高校ラグビー部がヘッドコーチを公募していたが、このほど作田敏哉(さくた・としや)氏が決まった。発表を受け、新任ヘッドコーチに抱負を伺った。

 作田氏は本郷から関東学院大に進学、関東学院大で大学選手権優勝を経験し、卒業後は日本IBMでプレー。現役引退後は福祉関係の仕事の傍ら、大体大、法大、川越東、藤田塾ラグビーアカデミーなどでコーチをしていた。

「ラグビーが大好きで、子どもの成長、人の変化を下支えするのが私の使命だと思っています。今回の公募を知って天職と考え、真っ先にエントリーさせていただきました」

 約50人の公募の中から選ばれた作田氏、「やるからには1年目から高校ラグビーの頂点を目指す」と意気込みを語る。

「本校には10年前にはラグビー部はあったのですが、部員不足から休部。しかし、2019年ワールドカップ日本開催などでラグビー熱が高まり、履正社が学校全体で進めている言語技術を上げていこうという教育の方向性に、ラグビーという文化が合うということで、再びラグビー部を立ち上げて強化をしていこうということになりました」(作田氏)

 今回の公募では、監督のほか総務部1名が採用され、2025年4月の部発足に向けて準備を進めている。

 現在、作田氏は、来年の部員獲得のために大阪のラグビースクール、中学校、大阪選抜チームなどを訪れ普及育成を進めている。

「来年の1年生、20人強の獲得を目指しています。先日もラグビースクールをいくつか見てきましたが、ベースがしっかりしているのでうまい。大阪のラグビー熱を感じています」

 大阪といえば、全国でもラグビー激戦区として知られる地域。部員獲得も大きなポイントになってくる。履正社は、野球をはじめサッカー、バレーボール、陸上など強豪の部活があるが、寮がないのが特色の一つ。その特色を生かし、地元の選手を獲得したいところだ。

「現在、大阪の高校ラグビーは3強、4強で混戦していますが、その次を狙っている学校もたくさんあります。そして、そこに挑戦できない子どもたちは県外に流出しているという現状があります。それはそれでチャレンジ精神があっていいことだと思いますが、地元の大阪で、自宅から通って大阪の熾烈な戦いをしてもらいたい。自宅から通いながら部活をするというメリットを生かしながら、そういったライバル争いに参加したいと思っています」と作田氏はいう。

 いまのところ中学部にラグビー部はないが、将来的には中高一貫でラグビー部の強化をしていくというビジョンもある。「まだ確定ではありませんが、もう一つ、ラグビー専用グラウンドを作っていただけそうです」と学校側のサポートにも力が入る。

 部の活動指針の一つに「言葉で勝つ」という項目がある。物事を論理的に考えてそれを外に出し、表現するスキルを身につけること。その言葉の技術の土台の上にプレーを構築し、勝利を掴み取ること。チームで言葉を突き詰め、コミュニケーションを深化させ、ひとつとなること。

「よくラグビーでは“同じ絵を見る”といいますが、まさにそれで、それを言語化する。チームワードを作るとか自分の思いを仲間に伝えるにはどうしたら伝えられるか。ラグビーの試合ではそれを瞬時におこなわないといけない。グラウンドレベルでどのようなコミュニケーションをとるのか。そういった言語技術アップのために、部活の中では体を動かすだけでなく、頭を動かす時間も作りたいと思っています」

 ラグビーを通して思考を論理的に組み立て、自分の考えを、自分の言葉で、自分らしく表現できる人間を育てていく。
 大阪から新たな挑戦が始まる。

Profile
作田敏哉(さくた・としや)
1975年12月14日生まれ、48歳。ポジションはHO。本郷高校(東京)を卒業後関東学院大に入学。大学4年時に全国大学選手権優勝を経験。日本IBMに入社し、社会人リーグ(のちトップリーグ)でプレー。退職に大阪体育大学ラグビー部の専属コーチに就任するとともに同大大学院スポーツマネジメント学科修士課程に入学。修士課程修了後、NPO法人に入職し、社会福祉活動に従事。法大、河野ラグビーアカデミー、川越東高校ラグビー部、藤田塾ラグビーアカデミーでコーチ業を続ける。日本ラグビー協会(JRFU) S級コーチ。社会福祉士。

PICK UP