国内 2024.03.28

大阪桐蔭が6年ぶりに決勝進出。昨季王者の桐蔭学園破る【全国高校選抜大会】

[ 編集部 ]
大阪桐蔭が6年ぶりに決勝進出。昨季王者の桐蔭学園破る【全国高校選抜大会】
最前線で体を張り続けたCTB名取凛之輔(撮影:松本かおり)
大阪桐蔭が優位に立ったスクラム(撮影:松本かおり)

 3月28日におこなわれた全国選抜大会準決勝。第2試合は昨季王者の桐蔭学園と大阪桐蔭による「桐蔭対決」だった。
 試合を制したのは近畿王者の大阪桐蔭。13-7のロースコアをものにした。

 ただ、先制パンチを決めたのは桐蔭学園だった。前半11分、FB古賀龍人がうまくキックでエリアを取ると、相手のラインアウトのミスで攻守を逆転させ、あっという間に敵陣深くへ。最後は味方のゴロパントを拾ったCTB徳山凌聖がそのままインゴールに入った。

 しかし、その後はSO上田倭楓の巧みなキックで多くの時間を敵陣で過ごす。
 点差を詰めたのは11分だ。ゴール前中央で得たPKはショットを選択。看板のFWで鳴らす大阪桐蔭が、そのFWを押し出さず、小刻みに得点してきた。

 綾部正史監督は言う。
「桐蔭学園さんは本当に力のあるチームですので。嫌なことをするためには、スコアできるところでスコアしないと離されてしまうよ、というのは試合前に話していました」

 スクラムで何度も相手のペナルティを誘った大阪桐蔭は優位に試合を進め、28分にもPGを決めて1点差とする。

 その2分後には逆転のトライを挙げた。相手のダイレクトタッチから敵陣22㍍内に入り、FB菅原幹太が抜け出した。
 ゴール決まって、13-7。これがそのままファイナルスコアとなった。

 両者無得点となった後半は、前半とは異なり桐蔭学園がボールを保持する時間の方が長かった。8分には点差を縮めようと約40㍍のPGを選択も、これは惜しくもポストに当たる。ボールはチェイスした桐蔭学園に入ったが、グラウンディングできなかった。

 桐蔭学園はその後も反則を重ねる相手に対して何度も敵陣深くに入ったが、大阪桐蔭の粘り強く体を当て続けて猛攻を凌いだ。

 終盤も、中盤エリアでアタックを展開する桐蔭学園に対して、CTB名取凛之輔を中心にしぶとくディフェンス。最後はPR原悠翔が2度目のジャッカル成功で試合を終わらせた。

 綾部監督は「15人がしっかりと芯をとらえてタックルしてくれた」と選手たちを称え、「選抜で久我山や東海大相模といった関東のチーム試合をさせていただきましたが、やはり(桐蔭学園が)一番目標とするチームでしたし、昨年は選抜と花園どちらもやられていたので、自然と子どもたちも気合が入ってました」とリベンジの気持ちがあったことを明かした。

 一方、敗れた藤原秀之監督は冷静に戦況を見つめていたという。
「もっとPGを狙ってもよかったですが、(あえて)言いませんでした。10-13とした方が面白かったと思います。ただ、自分たちの力を試したいということで(ラインアウトモール勝負に)、それはそれで良かったのでは」

「優勝候補NO1のチームと戦えたのははありがたいことです」と、次を見据えていた。

 6年ぶりに決勝進出の大阪桐蔭は、夏合宿や花園直前に合同練習をする間柄の石見智翠館とファイナルで対戦する(3月30日/11時キックオフ)。
 11年ぶり2度目の優勝を狙う。

高い強度で何度も体をぶつけ合った(撮影:松本かおり)

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