『AZ-COM丸和 MOMOTARO’S』として前へ。前明大の伊藤宏明氏がHC。プレーイングコーチに日本代表44キャップの木津武士
新しいチーム名は『AZ-COM丸和 MOMOTARO’S』と表記して、『アズコム丸和(まるわ)モモタローズ』と読む。
2023年度シーズンの成績により、トップイーストリーグAグループに昇格した丸和運輸機関 AZ-MOMOTARO’Sが3月7日、記者会見を開いた。
冒頭のような新チーム名と新体制が発表された。
現場のトップには細谷直GM兼監督(元日野レッドドルフィンズ監督兼GM)が就いた。
伊藤宏明ヘッドコーチ(以下、HC)がチームの力を伸ばす。同HCは昨季まで明大で同じポジションで指導力を発揮してきた人だ。
また、元日本代表のHO木津武士がプレーイングコーチとしてチームに加わった。
伊藤HCは、日野レッドドルフィンズのBKコーチを務めたこともある。当時、監督を務めていたのが細谷氏。同氏は、チームをトップリーグに引き上げてくれた手腕を高く評価している。
「(候補者を)リストアップする前に、真っ先に(伊藤HCに)連絡をしました」と話した。
木津は、日野レッドドルフィンズに所属していた2023年の春に現役を引退した。
東海大を卒業してからすぐに(神戸製鋼で)プロ選手として活躍し、日本代表キャップを44持つ。この1年は知人の会社に所属して社会経験を積み、セカンドキャリアに踏み出していたそうだ。
そんなときに細谷氏から声がかかった。
以前、木津を日野に誘ったのも同氏だった。しかし、木津が所属した5年のうち2季はチームの不祥事などでまともにシーズンを過ごすことができなかった。
「申し訳ない気持ちがありました」(細谷氏)
今回あらためて誘いを受けた木津の胸中は複雑だった。
一度は引退を決意し、発表した事実がある。誘いを受けてチャンスと感じた自分もいる。
そんな中で、「自分に正直に生きよう」と決意した。
「家族に、ピッチに立つ姿をもう一度、一回だけでもいいから見せたい」
時間をかけて体と心を呼び起こし、再びピッチに立つ準備を進めている。コーチとしての役目については、「引退ほやほやなので、体を使って教えていきたい」とした。
会見には、創業者として輸配送サービスブランド「桃太郎便」を全国区に育て上げた和佐見勝社長(代表取締役社長)の姿もあった。
同社長は、「いつかリーグワンでナンバーワンに」と話したが、「昇格したAグループで優勝しないと、次のことは語れない」とした。
まずは、今季戦う舞台で頂点に立つことを目指す。
細谷GM兼監督は、「わくわく感が止まらない」と胸の高鳴りを言葉で表現して、「全員で同じ絵を見る」ことから始めるとした。
「新しいことを発信していきたい」と話した指揮官は、近々ニュージーランドへ向かう。チームが必要としているポジションで力を発揮し、マインドの部分でも影響力のある選手と出会うためだ。
4月には国内の各大学などから11名の新人も加わる予定だ。
伊藤HCも、オリジナリティのあるラグビーを具現化したいと指導方針を語った。
「丸和ウェイ、丸和スタイルというか、しっかりと自分たちのスタンダードを持ってチーム作りを進めていきたいと思います」
進む道は決して易しくないだろう。しかし、チームロゴには物流事業の象徴であるトラックのタイヤが回る様子が表現されている。
前進を続けたい。