国内 2024.03.03

世界最高峰スターたちが花園で熱闘 サベア大爆発のスティーラーズがヴェルブリッツを下す

[ 編集部 ]
世界最高峰スターたちが花園で熱闘 サベア大爆発のスティーラーズがヴェルブリッツを下す
4トライを挙げたアーディ・サベア。文句なしのプレーヤー・オブ・ザ・マッチ選出(撮影:佐藤真一)


 世界最優秀選手賞に輝いたことがあるスーパースターが4人、東大阪市花園ラグビー場で火花を散らした。3月3日、ブロディ・レタリックとアーディ・サベアはコベルコ神戸スティーラーズのジャージーを着て、ボーデン・バレットとピーターステフ・デュトイはトヨタヴェルブリッツの一員として臨み、同じくビッグネームのアーロン・スミスとともにジャパンラグビー リーグワン・ディビジョン1の第8節に出場。1万4387人の観客が集まった注目の一戦は、57-22でスティーラーズが制した。

 スティーラーズの7番をつけたサベアはフル出場し、4トライを挙げる大活躍だった。

 レギュラーシーズンはこれで折り返しとなり、プレーオフ進出枠争いは激化へ。スティーラーズは5勝3敗(勝点24)となって4位に浮上、ヴェルブリッツは4勝4敗(勝点19)で7位に下がった。

 序盤からスティーラーズのサベアが魅せた。前半10分、ワールドカップ2023日本代表のキャプテンでもあるヴェルブリッツのFL姫野和樹をがっちり止めてすぐさまブレイクダウンでからみ、反則を引き出すと、チームは勢いづいて12分にゴールに迫り、サベアがピック&ゴーでインゴールに突っ込み先制した。
 危険なプレーがあったヴェルブリッツの選手にカードが出たため、数的有利だったスティーラーズは20分にも攻め込み、すばやいパス回しで大外にいたサベアがフィニッシュし、連続トライとなった。

 スティーラーズのキャプテンを務めるLOレタリックもひたむきに体を張り、204センチの長身で低く激しく突き刺さるなど、ハードワークでチームを鼓舞した。

 一方のヴェルブリッツは26分、SHスミスのテンポのいい配球からSOバレット、NO8デュトイとつないでブレイクし、オフロードパスをもらったWTBヴィリアメ・ツイドラキが左外を抜けてインゴール中央に持ち込んだ。
 30分にはCTBチャーリー・ローレンスのクロスキックが左外にいた姫野に通り、敵陣深くに入ると、サポートにきたローレンスがショートサイドを抜けてゴールに迫り、LOジョシュ・ディクソンがフィニッシャーとなって同点に追いついた。

 その後、サベアのビッグゲイン、バレットの強烈なタックルでも会場が沸くなか、先に追加点を奪ったのはスティーラーズで、38分にSOブリン・ガットランドがペナルティゴール(PG)を決め、15-12で折り返しとなった。

 そして、スティーラーズは後半先に得点してリードを広げた。42分(後半2分)、レタリックがバレットとキックボールを競り、タッチライン外に出たあとすぐに入れると、赤いジャージーがつないでハーフウェイ中央でもらったサベアが好走で大きくゲインしてチャンスとなり、つないでガットランドがインゴールに持ち込んだ。

 その後、相手にPGを許したスティーラーズだったが、52分にはレタリックとともに共同キャプテンを務めるWTB山下楽平がインターセプトして約80メートル独走し、大きな追加点となって流れを引き戻した。

 そして、55分にも山下のパスカットからチーム一体となってチャンスを広げ、最後はサベアがインゴールに飛び込んでハットトリックを達成。

 勢いづくスティーラーズに対し、ヴェルブリッツは途中出場のSH福田健太やバレット、デュトイらが懸命のディフェンスでピンチをしのいだシーンもあり、67分には攻めて姫野がトライを奪い返し、勝利への執念を見せた。

 しかし、スティーラーズは70分、ラインアウトからの展開でガットランドが中央を抜け、NO8ティエナン・コストリーにつないで得点し、再び突き放した。72分にも追加点を挙げると、78分にはこの日大奮闘のサベアがハーフウェイからダイナミックに駆け上がってタックラーを振りきり自身4トライ目を決め、快勝となった。

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