サンゴリアスが29点ビハインドから粘り勝ち ダイナボアーズ奮闘するも土壇場逆転劇
日本最高峰リーグで5回の優勝を誇り、プレーオフの常連である東京サントリーサンゴリアスに対し、ビッグタイトルを手にしたことがない三菱重工相模原ダイナボアーズが果敢に挑み、金星をつかみかけたが、29点差を追いついたサンゴリアスが最後に逆転トライを奪い、36-34で白熱の戦いを制した。
サンゴリアスはこれで5勝1敗、惜敗のダイナボアーズは2勝4敗となった。
最初の20分間はダイナボアーズのペースだった。
序盤の5分、13番をつけてダイナボアーズデビューの岩下丈一郎がラックサイドをブレイクし、キャプテンのSH岩村昂太につなぎ先制トライとなった。
ダイナボアーズは9分にも22メートルラインに迫ると、攻めの方向を変えてSOジェームス・グレイソンが放ったクロスキックを左外にいたNO8ジャクソン・ヘモポがキャッチし、5点を追加。
勢いに乗り、11分には今季初出場のFL佐藤弘樹が敵陣10メートルライン付近から次々とタックルをかわしてゴールへ走りきった。
さらに、15分には相手に自陣深くへ入られたが、ディフェンスで前へ詰めてプレッシャーをかけると、FBマット・ヴァエガがインターセプトして約80メートル走りきり、4連続トライとなった。
21分には、サンゴリアスの15番をつけた南アフリカ代表チェスリン・コルビに対するCTB岩下の好タックルからターンオーバーにつながり、SOグレイソンが長距離のペナルティゴール(PG)を決め、ダイナボアーズの29点リードとなった。
それでも、サンゴリアスはあわてず、28分にゴールに迫り、LOトレヴァ・ホゼアが仲間のサポートも得ながら力強くレッグドライブしてインゴールにボールを押さえた。
37分にも敵陣深くに入ったサンゴリアスは、スクラムで圧力をかけてゴールに迫り、FLサム・ケインが右へボールを動かしてFBコルビ、WTB尾崎晟也とつなぎ、トライを決めた。優秀なゴールキッカーであるSO高本幹也がコンバージョンで得点を重ね、14-29で折り返した。
15点差に詰めたサンゴリアスは、さらに47分(後半7分)、相手のゴールラインドロップアウトから攻め込み、PR小林賢太のブレイクでチャンスとなり、サポートしたケインがフィニッシュ。
後半アタマから入っていたベテランSH流大の巧みなゲームコントロールもあり、サンゴリアスのペースは続き、61分には高本のPGで5点差に詰めた。
そして、63分、サンゴリアスは敵陣でラインアウトスチールから攻めに転じ、WTB尾崎晟也が前へ詰めてきたディフェンダーをかわして右外をゲインし、パスは乱れたものの、インゴールに転がったボールをSH流が押さえ、同点。コンバージョン成功でついにゲームをひっくり返した。
このまま終わるわけにはいかないダイナボアーズは72分、ゴールに迫ってFWを中心に攻撃を繰り返し、SOグレイソンが中央から左へ大きくボールを振り、CTB岩下がスペースを突いてトライ。再びリードを奪った。
しかし、サンゴリアスは試合終了間際、SO高本の好キックとLOハリー・ホッキングスのラインアウトスチールがあってゴール前での攻撃権を得ると、相手に反則があって再開後、粘り強くディフェンスするダイナボアーズに対し、辛抱強く21フェイズ重ね、けがから復帰して今季初出場となったCTB中野将伍が右外にフィニッシュし、劇的な逆転ゲームとなった。