前王者クボタスピアーズが巻き返しへ 神戸スティーラーズとの激闘制し2勝目
リーグワン2023-24で苦しい戦いが続いていたディフェンディングチャンピオンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、踏ん張った。1月14日に兵庫・ノエビアスタジアム神戸でおこなわれた第5節で、同じく上位を争うコベルコ神戸スティーラーズとの激闘を38-34で制した。
すでに3敗を喫しているクボタスピアーズだが、これで2勝目。一方、ブロディ・レタリック&アーディ・サベアという、ニュージーランド出身の世界的トップスター2人を獲得して開幕2連勝と好スタートを切った神戸スティーラーズだが、その後いずれも接戦を落として3連敗となった。
注目の一戦でクボタスピアーズが先制した。開始早々、キックボールを処理した相手選手にFL末永健雄らがプレッシャーをかけて反則を引き出し、ゴール前でのラインアウトへと移り、ドライビングモールから持ち出した新加入のニュージーランド代表HOデイン・コールズがインゴールに突っ込み、トライが認められた。その後、FBゲラード・ファンデンヒーファーのペナルティゴール(PG)などでも加点し、10点リードを奪った。
16分、神戸スティーラーズにラインアウトからのサインプレーを決められ、FLアーディ・サベアのトライを許したクボタスピアーズだったが、流れを引き戻し、27分、ハイパントで相手にプレッシャーをかけ、こぼれ球をSH藤原忍が確保すると、さらにキック&チェイスで自らインゴールに押さえ、追加点となった。
クボタスピアーズは、ハーフタイム前には粘り強いディフェンスでピンチをしのぎ、17-7で折り返しとなった。
しかし、連敗脱出を目指す神戸スティーラーズは後半早々に反撃し、敵陣深くに入って14フェイズ重ね、中央付近をFWが突いたあと左にボールを動かし、WTB濱野隼大がタックルされながらもトライを決めた。
さらに、48分(後半8分)にはタッチライン外に出たボールをすぐに入れ、相手の守備陣形が整わないなか、FB松永貫汰が中央を切り裂いてゴールへ走りきった。コンバージョン成功で逆転。
その後、両チームともPGで得点を重ね、55分、神戸スティーラーズに反則があり、クボタスピアーズはFBファンデンヒーファーが40メートル超のショットを決め、再びリードを奪った。
さらに、59分にはCTBリカス・プレトリアスの「50:22キック」で敵陣深くに入ると、ラインアウトからの連続攻撃でゴールに迫り、HOコールズがピック&ゴーでタックルをかわし、トライ(コンバージョン成功)。
63分にはコールズに替わって入ったばかりのHO杉本博昭がジャッカルに成功し、ファンデンヒーファーがPGを決め、クボタスピアーズは33-22とリードを広げた。
それでも、神戸スティーラーズは粘り、68分に敵陣深くに入ると、堅守の相手に対して19フェイズ重ね、NO8ティエナン・コストリーがピック&ゴーでインゴールに突っ込み、トライを挙げた。CTB李承信のコンバージョンも決まり、4点差に詰めた。
そして、75分、相手のドロップゴールが外れると、神戸スティーラーズは22メートルラインからのドロップアウトで速攻を仕掛け、FLサベアのゲイン後、テンポよくボールをつなぎ、すばやいリサイクルからFB松永のクロスキックをWTB山下楽平が捕球、パスをもらった日本代表のFLサウマキ アマナキがタックラーを引きずりながら右隅にトライを決め、逆転となった。
だが、ドラマは最後にもう一つあった。
1点ビハインドのクボタスピアーズは土壇場の79分、敵陣10メートルライン付近で辛抱強くアタックを継続し、パス回しからCTBプレトリアスが抜け、そのままゴールへ走りきり、ゲームをひっくり返した。
その後、リスタートはあったが、キックオフボールをクボタスピアーズが確保してまもなく外に蹴り出し、熱闘はノーサイドとなった。