国内 2024.01.07

高校ラグビーの頂点に立ったのは桐蔭学園! 東福岡との大熱戦を制し春・冬2冠達成

高校ラグビーの頂点に立ったのは桐蔭学園! 東福岡との大熱戦を制し春・冬2冠達成
第103回全国高校ラグビー大会の決勝を制した桐蔭学園、歓喜の瞬間(撮影:松村真行)


 2023年度の高校ラグビー日本一を決める戦い、「第103回全国高校ラグビ大会」の決勝は、壮絶な戦いとなった。1月7日に東大阪市花園ラグビー場で桐蔭学園高校(神奈川)と東福岡高校(福岡)が激突し、桐蔭学園が8-5で3季ぶり4回目の優勝を遂げた。春には全国高校選抜大会を制しており、2冠達成である。前年度王者の東福岡は連覇ならず。

 高校ラグビー界、国内最高峰の名勝負となった
 序盤から東福岡は辛抱強くディフェンスしていたが、前半13分、23フェイズ重ねた桐蔭学園に対して反則があり、FB吉田晃己のペナルティゴールで桐蔭学園が先制した。

 両チームとも規律よく、激しい攻防が続き、やや押され気味だった東福岡は21分にピンチを迎えるも、ラインアウトでプレッシャーをかけてスチール。23分にも攻め込まれたが、SH利守晴がブレイクダウンでからみ桐蔭学園の反則を引き出した。

 そして、24分にも桐蔭学園が敵陣深くに入り、またもグリーンジャージーの9番・利守がジャッカルでボールを取り返したが、東福岡はそこから回して攻め上がろうとしたところ、ハンドリングエラーが出て再び相手にボールを渡してしまい、桐蔭学園のWTB田中健想がタックラーをかわしてトライを決めた。

 前半最後、反撃したい東福岡がゴールに迫ったものの、桐蔭学園が粘り強く守り、8-0で折り返しとなった。

東福岡のキャプテンとして力強くけん引したNO8高比良恭介(撮影:牛島寿人)

 東福岡にとってはがまんの時間が続き、後半早々、桐蔭学園が12フェイズ重ねてLO中森真翔がランで勝負しゴールラインを越えようとしたが、東福岡はFL松崎天晴やWTB深田衣咲が懸命のディフェンスで押し戻し、まもなくターンオーバーとなった。
 その後、東福岡のピンチは続くも、6分にはLO倉掛太雅がラインアウトスチールでチームを救った。

 耐えた東福岡は、13分のアタックは桐蔭学園の堅守に阻まれたが、16分、テンポよくボールを回してCTB神拓実の鋭いフラットパスをもらったキャプテンのNO8高比良恭介が右外を力強く駆け上がってタックルを3つ外し、WTB深田、CTB神とつないでトライを決めた。

東福岡のCTB神拓実。決勝ではトライを決めた(撮影:松村真行)

 8-5の大接戦。
 20分、桐蔭学園が12フェイズ重ねてゴールに迫ったが、東福岡が踏ん張る。
 24分、東福岡がFL松崎のブレイクダウンの奮闘があって敵陣22メートルライン内に入るも、桐蔭学園はモールディフェンスでキャプテンのNO8城央祐がからみ、ターンオーバーとなった。

 そして試合終了間際、逆転を狙う東福岡が敵陣深くに入って必死に攻撃を繰り返したが、桐蔭学園も死力を尽くし、HO田中健心らがブレイクダウンで奮闘して反則を引き出すビッグプレー。その後ワンプレーはあったが、8-5でノーサイドの笛が鳴り、桐蔭学園の歓喜となった。

桐蔭学園はFW・BKともに充実。WTB古賀龍人らの鋭い走りも光った(撮影:牛島寿人)

 優勝した桐蔭学園の藤原秀之監督は、「本当に生徒がすごいことをやったなと思っています。東福岡さんには決勝で勝ったことが一度もなかったですし、彼らが歴史をしっかり作ってくれて本当によかったと思います。選手、学校のサポートなどいろいろありましたし、保護者の方やOB会、いろんな方がこの1年間サポートしてくれましたから、形で見せられたことを本当にありがたく思っています」と喜びを語った。
 昨年度は花園出場を逃したが、選手たちはその悔しさを糧に、春・冬の全国タイトルを獲得。藤原監督は「桐蔭のDNAを引き継いでくれたなと思っています」と称えた。そして、東福岡とのすばらしい決勝は「高校生らしい試合」だったと振り返り、「両校の生徒・選手、関係者、ならびに大会を運営していただきました実行委員の方、すべての方に感謝したいと思います」とコメントした。

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