各国代表 2023.12.22

コンテポーミがアルゼンチン代表の指揮官に昇格 退任のチェイカは豪代表レースの最有力候補?

[ 編集部 ]
コンテポーミがアルゼンチン代表の指揮官に昇格 退任のチェイカは豪代表レースの最有力候補?
マイケル・チェイカ(写真右)とともにアルゼンチン代表を強化してきたフェリペ・コンテポーミ(Getty Images)


 アルゼンチン代表“ロス・プーマス”は次のサイクルへ向けて、新体制で臨むことになった。ラグビーワールドカップ2023フランス大会で4位に導いたマイケル・チェイカ氏はヘッドコーチ退任となり、同氏をアシスタントコーチとして支えたフェリペ・コンテポーミ氏が指揮官に昇格することが決まった。

 退任するオーストラリア人のチェイカ氏は次のようにコメントしている。
「この素晴らしい数年間を一緒に過ごしてくれたすべてのアルゼンチン人、そしてこの挑戦のために私を信頼してくれたアルゼンチンラグビー協会、スタッフ、選手たちに感謝します。ロス・プーマスのヘッドコーチを務められたことは私にとって誇りであり、コーチとしてのキャリアのなかで最も楽しかった経験のひとつです。フェリペと彼のスタッフが可能な限り最善の方法でチームを導いてくれると確信しています」

 新しいヘッドコーチとなる46歳のコンテポーミ氏は、選手時代、スタンドオフやインサイドセンターとして活躍し、アルゼンチン代表として87キャップを獲得、キャプテンも務め、ワールドカップには4大会出場した偉大なレジェンドのひとりである。テストマッチ通算651得点は同代表歴代2位の記録で、ロス・プーマス史上初めてワールドカップ3位入賞を果たした2007年には世界最優秀選手賞にノミネートされた。
 クラブシーンでは、レンスター(アイルランド)が初めてヨーロッパ王者になったときの主要メンバーで、そのとき同クラブのヘッドコーチを務めていたのがチェイカ氏である。
 世界的スターだったコンテポーミ氏は、のちにワールドラグビー殿堂入りも果たしている。
 指導者としてのキャリアは2015年からで、ハグアレス(ジャガーズ)やレンスターでのコーチを経て、2022年からチェイカ体制のアルゼンチン代表でアシスタントコーチを務めていた。

 チェイカ氏からバトンを受け継ぐことになったブエノスアイレス出身のコンテポーミ氏は、「マイケル・チェイカと一緒に働くことができて光栄でした。アルゼンチンラグビー協会から与えられた機会を受け入れ、大きな目標である2027年のワールドカップ・オーストラリア大会へ向けて努力を続けます」と決意を述べた。

 コンテポーミ体制となるアルゼンチン代表は、2024年7月にホームでフランス代表とテストマッチをおこなう予定。2025年にはアイルランドのダブリンでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと対戦することも決まっている。

2023年、豪代表HCだったエディー・ジョーンズ(左)とアルゼンチン代表HCだったマイケル・チェイカ(Getty Images)

 一方、チェイカ氏はアルゼンチン代表ヘッドコーチを退任したことで、母国オーストラリアに戻って大役に就く可能性が出てきた。
 オーストラリアは2027年の次回ワールドカップ開催国であり、代表チームの“ワラビーズ”には優勝の期待がかかるが、2023年大会は初のプールステージ敗退という結果に終わり、指揮官だったエディー・ジョーンズ氏がわずか10か月で辞任(ジョーンズ氏はのちに日本代表ヘッドコーチ就任が決定)。後任はまだ決まっておらず、候補として、オーストラリア人のスティーブン・ラーカム氏(ブランビーズ)やダン・マッケラー氏(レスター・タイガース)、南アフリカ人のジェイク・ホワイト氏(ブルズ)、さらに、最近までニュージーランド代表のアシスタントコーチだったジョー・シュミット氏などの名前がメディアの間で出ているが、2014年から19年にかけてワラビーズのヘッドコーチを務め、2015年にはワールドカップ準優勝に導いて世界最優秀コーチに選ばれたことがあるチェイカ氏が最有力候補として浮上してきた。

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