山下楽平&レタリックの共同主将体制に。コベルコ神戸スティーラーズ・シーズン直前会見。
リーグワンのディビジョン1(一部)に属するコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)が12月1日、神戸市内のクラブハウスで、同月9日から始まるシーズン開幕に向け、記者会見を行った。
この席で、新シーズンにおいては共同主将制で戦うことが発表され、LOブロディ・レタリックとWTB山下楽平がその任につくことになった。2人を選んだのは新ヘッドコーチ(監督)のデイブ・レニー。練習への向き合い方や実績など総合的な見地から判断したという。
レタリックは32歳。204センチの長身を利して、「オールブラックス」と呼ばれるニュージーランド代表のキャップは109。先ごろ行われたワールドカップにも出場した。2019年度から2シーズン、神戸Sに在籍。勝手のわかったチームになる。
「チームの理解はできている。若手の選手に経験を伝え、いい見本になりたい」
山下はレタリックと同学年。キャップこそないが、日本代表経験者であり、トライの嗅覚に優れる。常翔啓光、京産大、そしてこの神戸Sを通じて初めての主将になる。
「キャプテンに指名されてびっくりした。でも、すごく光栄。体を張ってプレーをして、結果をだしてゆきたい」
2人のシーズン目標は「優勝」。神戸Sはトップリーグ時代の2018年度以来、優勝から遠ざかっている。昨シーズンは12チーム中9位と不振を極めたことから、雪辱の意識はチーム全体に満ちている。
その復権のため、今季からメンバーに加わったNO8アーディ・サベアもチーム合流後、初会見に臨んだ。あいさつの冒頭は日本語で話した。
「こんにちは。アーディ・サベアです。チームに貢献できるように頑張ります」
日本に溶け込もうとする姿勢を示した。
サベアは30歳。ニュージーランド代表キャップは81。タテへの突進力など世界最高峰のバックローのひとりだ。レタリックとともに今回のワールドカップにも出場した。神戸Sでの抱負を語る。
「自分が持っているものをすべて出し切って、このチームが勝つことに関してひと役を買いたい。トップになりたい」
サベアは先月11月27日、レタリックはその2日前、花園近鉄ライナーズとのプレシーズンマッチ(練習試合)があった25日に来日した。この開幕最後の対外試合となる「阪神ダービー」は38-19と勝利をおさめた。
お互い、現状のベストメンバーで臨んだ前半は33-0と圧倒した。そこにこの2人のオールブラックスが加わる。就任前にオーストラリア代表ヘッドコーチ(監督)をつとめたレニーの指導力と相まって、前評判は高い。
神戸Sの開幕戦は12月9日。地元・神戸のノエビアスタジアムで三重ホンダヒートを迎え撃つ。キックオフは正午である。