国内 2023.11.11

法大 36-7 拓大。法政は3強入りかけあと1戦へ。全国大学選手権へのサバイバル続く。

[ 編集部 ]
法大 36-7 拓大。法政は3強入りかけあと1戦へ。全国大学選手権へのサバイバル続く。
この日、攻守に活躍の法大NO8高城喜一、リーグ選定のPOMに(撮影:松本かおり)

「法政はディフェンスのチーム。それを徐々にゲームで表すことができつつある」

 試合後、法大の新宮孝行監督が自軍の成長への手応えを控えめに口にした。がぱっ、がぱっ。相手の芯を食う法大の独特なタックルの音がフィールドに響いたゲームはトライ数5本-1本で法大が制した。

 11月11日、小田原城山陸上で関東大学リーグ戦1試合がおこなわれ、法大が拓大を36-7で破った。大学選手権出場へ、なんとか3位以内へ食い込みたい法大が一歩前進。トライ数差3以上で勝ち点5を獲得、総勝ち点を15とした。3位の座を4校で争っているサバイバルをひとまず生き延びた。

 前半8分に先制トライ(G成功)を奪った法大は、相手を上回る総合力を発揮して17分、22分、34分と加点し前半を22-0で折り返した。後半は密集近くを相手FWに突破され7点を失うが、常に安全圏のスコアを保って勝ち切った。

「選手権出場へは、残り2戦での勝ち点5がミッション。奢ることなく、今まで通り粘り強いデフェンスをすること。WTBまで回してトライを取ることをイメージして準備してきた」(法大・新宮監督)

 法大はその言葉通りの試合をやって見せた。勝負所で光ったのは法大のディフェンス、Wタックルだ。後半14分には拓大NO8ハーダス・ロスマンのゴール前の突進に唯一の失トライを喫する。後半25分にも自陣深くに攻め込まれて相手FWの波状攻撃を浴びるが、複数人がしっかりと肩を打ち込むタックルを連発、このピンチを凌いだ。一連の拓大アタックをノックオンで終わらせたのは、法大両PRのWタックル。ゴールラインを踏み越えようとするハーダスへの、殊勲の一撃(二撃!)を食らわせた。その直後、背番号1と3、四元涼太と渡辺明志の淡々とポジションに戻る姿に、チームの矜持がうかがえた。

 2試合前に1点差で流経大に敗れ、前戦では大東大を1点差で倒した。3位圏内のぎりぎりのラインに踏みとどまるチームは、課題とともに、昨年までにない手応えも感じている。

「今回は、ディフェンスからボールを奪ってのアタック、そのトランジション(切り換え)も意識していた。その面では成果を出せた部分もある。ただ、得失点を考えると、もっと相手22メートル内に入って、スコアをしたかった」(法大WTB石岡玲英主将)

 得失点、とは3位の順位決定を強く意識した言葉だ。複数校が勝ち点で並んだ場合に決定要素となるのが得失点差。PK場面ではこの日、ショットよりもラインアウトモールを仕掛けた法大の選択は、当落線上にあるチーム状況と、積極的な準備の姿勢を感じさせた。

 試合の最後は法大のPG失敗で終わったが、チームのアタックについて統一を深める財産となる1戦になった(法大 36-7 拓大)。法大の最後の大学選手権出場は2017年度、点差とは別に、7年ぶりの悲願へぎりぎりの戦いが続いている。

 東海大、流経大は2位以上が確定済みで、法大(勝ち点15)と3位を争うライバルたちの残り試合は次の通り。明日の大東大と立正大の対戦は大学選手権へのサバイバル戦となり、3位確定は最終節。

東洋大(勝ち点16)…東海大(対戦11月12日)、日大
大東大(同10)…立正大(対戦11月12日)、拓大
立正大(同9)…大東大(対戦11月12日)、法大

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