エディー・ジョーンズ氏が豪代表指揮官を辞任。W杯惨敗で非難浴び、わずか10か月で去る。
2027年に地元オーストラリアで開催されるラグビーワールドカップを最大の目標とし、今年1月に5年契約で同国代表“ワラビーズ”のヘッドコーチに復帰したエディー・ジョーンズ氏だが、10か月も経たずにその職を辞任した。
ワールドカップ優勝2回を誇るラグビーの強豪国にもかかわらず、この秋にフランスで開催された大舞台では、格下のジョージアとポルトガルには勝ったものの、69年ぶりにフィジーに敗れ、ウェールズには完敗を喫し、初のプールステージ敗退。ジョーンズ氏は10月末に辞任を申し出、オーストラリアラグビー協会が受け入れた。
世界で最も有名なラグビー指導者のひとりだ。かつては日本代表を指揮し、2015年のワールドカップでは優勝候補の南アフリカ代表を倒して世紀の番狂わせと言われ、日本にラグビーフィーバーをもたらした。
その後、イングランド代表のヘッドコーチとなり、シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)は2016年のグランドスラムを含め3度優勝、2017年には世界最優秀コーチに選ばれ、2019年のワールドカップでは決勝に導いた。
2022年に成績不振でイングランドラグビー協会から解任されてしまったが、そのわずか1か月後、今年1月に母国オーストラリアの代表チーム“ワラビーズ”のヘッドコーチに就任。ジョーンズ氏がワラビーズの指揮官となるのは2度目で、前回務めたときは2003年の自国開催ワールドカップで決勝進出(準優勝)を果たしていたこともあり、ラグビー関係者やファンの期待は高かった。低迷していたワラビーズの「救世主」として歓迎された。
しかし、ジョーンズ体制となったこの1年間のワラビーズは、9試合戦ってわずか2勝しかできず、勝率22.2パーセントはワラビーズ史上最低の成績となった。また、2027年の大舞台を見据えて若手を中心とした選手選考をおこない、今秋のワールドカップでは長年主将を務めたマイケル・フーパーや司令塔のクウェイド・クーパーら多くのベテランを落選させたことも、波紋を呼んでいた。
ワラビーズを去ることになったジョーンズ氏だが、日本代表のヘッドコーチに復帰するのではないかと噂されており、今後の動向が注目される。