各国代表 2023.10.30

年間最優秀新人賞はNZのテレアが受賞。ドリームチームに王者南アからはエツベスのみ。

[ 編集部 ]
年間最優秀新人賞はNZのテレアが受賞。ドリームチームに王者南アからはエツベスのみ。
ワールドラグビーアワード2023の様子。最優秀新人賞にはマーク・テレアが選ばれた(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップの興奮がさめやらぬパリで現地時間10月29日、オペラ・ガルニエに多くの著名人やレジェンド、そして一流選手たちが集まって「ワールドラグビーアワード2023」が開催された。

 この日発表されたのは11部門で、男子15人制年間最優秀選手賞はニュージーランドのアーディー・サヴェアが初受賞。ワールドカップ優勝にはあと一歩届かなかったが、疲れ知らずのハードワークと目覚ましいパフォーマンスは年間を通して見られ、世界最高のプレーヤーであることを証明した。

 男子15人制年間最優秀新人賞は、同じくニュージーランド人のマーク・テレアが受賞。昨年11月のスコットランド戦でオールブラックスとして初キャップを獲得し、2トライを挙げて鮮烈デビューを果たした快速WTBは、ワールドカップメンバーにも選ばれフランスとの開幕戦で2トライを決めるなど活躍した。

 年間最優秀コーチに選ばれたのは、男子15人制アイルランド代表のアンディ・ファレル ヘッドコーチ。ワールドカップは準々決勝でニュージーランドに敗れ、悲願の初優勝には届かなかったが、今年はシックスネーションズ(欧州の強豪6カ国対抗戦)で全勝優勝、テストマッチ16連勝を達成し、アイルランドを世界ランキング1位に導いた。

 男子15人制のドリームチームに選ばれたのは以下のとおり。ワールドカップ連覇を遂げた南アフリカからは1人だけで、準優勝のニュージーランドからは4人、そしてフランスとアイルランドから5人ずつが選ばれている。

南アフリカのワールドカップ連覇に大きく貢献したエベン・エツベス(Photo: Getty Images)

【World Rugby Men’s 15s Dream Team of the Year】
1.シリル・バイユ(フランス) 2.ダン・シーハン(アイルランド) 3.タイグ・ファーロング(アイルランド) 4.エベン・エツベス(南アフリカ) 5.スコット・バレット(ニュージーランド) 6.ケイラン・ドリス(アイルランド) 7.シャルル・オリヴォン(フランス) 8.アーディー・サヴェア(ニュージーランド) 9.アントワンヌ・デュポン(フランス) 10.リッチー・モウンガ(ニュージーランド) 11.ウィル・ジョーダン(ニュージーランド) 12.バンディー・アキ(アイルランド) 13.ギャリー・リングローズ(アイルランド) 14.ダミアン・プノー(フランス) 15.トマ・ラモス(フランス)

 セブンズ(7人制)では、男子はアルゼンチンのロドリゴ・イスグロ、女子はニュージーランドのタイラ・ネイサンウォンが年間最優秀選手に選ばれた。
 イスグロはワールドセブンズシリーズ2023において、11大会すべてに出場し、6回の決勝進出と3度の優勝に大きく貢献。計33トライを挙げて4度ドリームチームに選出されるなど、その活躍が認められて15人制のアルゼンチン代表にも選ばれ、今年のワールドカップにも出場した。
 タイラ・ネイサンウォンは、ブラックファーンズ・セブンズ(女子7人制ニュージーランド代表)の躍進の中核を担い、プレーメーカーとしてけん引。ワールドセブンズシリーズ2023は全7大会に出場し、247得点を挙げ、6つのタイトル獲得とシーズン総合優勝に貢献した。通算1295得点は歴代2位の記録である。

今年は別の楕円球競技である13人制のラグビーリーグにも挑戦したタイラ・ネイサンウォン(Photo: Getty Images)

 そして、新しくワールドラグビー殿堂入りを果たしたレジェンドの表彰もおこなわれ、ダン・カーター(ニュージーランド)、ティエリ・デュソトワール(フランス)、ジョージ・スミス(オーストラリア)、ファン・マルティン・エルナンデス(アルゼンチン)、そしてブライアン・ハバナ(南アフリカ)が祝福された。

 その他、レフリー賞は、1995年から2003年にかけてインターナショナルレフリーとして活躍し、次世代のマッチオフィシャルの指導者として育成にも尽力してきたデイヴィッド・マキュー氏(アイルランド)が受賞。
 傑出した貢献に対して贈られるヴァーノン・ピュー賞は、ジョージアラグビー協会の元会長で、同国のみならずヨーロッパ全土でラグビーの成長と発展のために活動してきたギオルギ・ニジャラゼ氏が選ばれている。
 ラグビーフォーオール賞は、20年以上にわたり、質の高い用具や用品の入手が困難な状況にある約50のワールドラグビー加盟協会に用具を寄贈するなどラグビーの発展と成長に貢献し、太平洋諸島の自然災害地域やウクライナの紛争地域での復興活動を支援する役割も果たしている「SOS Kit Aid」(英国)に贈られた。
 そして、国際ラグビープレーヤーズスペシャルメリット賞は、元南アフリカ代表キャプテンで、現在は同国ラグビーレジェンド協会のCEOを務め、草の根ラグビーの発展と南アフリカにおける引退選手のサポートに時間を割き、評論家としても活躍しているジョン・スミット氏が受賞した。

ワールドラグビー殿堂入りのレジェンドもアワードに出席した(撮影:松本かおり)

 男子の年間最高トライは、スコットランド代表のWTBドゥハン・ファンデルメルヴァが2月4日のイングランド代表戦で見せた見事な個人技が選ばれている。

 残る女子の4部門の発表は、現在開催中のWXV(女子15人制の新国際大会)が終わったあと、別途おこなわれる予定。

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