エベレストの頂上に桜咲かず。姫野主将「夢は受け継がれていく。日本は強くなれると信じてる」
ラグビーワールドカップ2023の日本代表の戦いは終わった。前回大会で初めて成し遂げたトップ8入りを上回る優勝を目標に掲げ、頂上へ向かって力強く前進していたが、プールステージ最終戦でアルゼンチン代表に敗れ、これ以上先の景色を見ることはできなくなった。
それでも、“ブレイブブロッサムズ”と世界から認められる日本代表をけん引してきたキャプテンの姫野和樹は堂々と頭を上げる。アルゼンチン戦は、両チーム通じて最多となる21回のタックルをすべて決めるなど奮闘した。
チームとして良いプレーもあったが、少し迷ってしまったところもあったと振り返る。「ゲームプランはあったが、このレベルのラグビーでは思うように反応できなかった」。それでも、ここに来るまで多くの犠牲を払い、懸命に戦ったチームを誇りに思う。日本のラグビーは進歩していると信じる。 ラグビーワールドカップで優勝するのはエベレストに登るようなもので、時間がかかることも知っている。
「チームのみんなを誇りに思います。ここに来るまでたくさんの努力をしてきましたし、今日も最高の努力をしてくれた仲間に感謝したいです。本当に、結果が出なくて残念ですけど、ここまで選手が頑張れたのはファンのみなさんのおかげだと思ってます。今回、エベレストの頂上に桜を咲かすことはできませんでしたが、自分たちのレガシー、文化、目標や夢というものは次に受け継がれていくものだと思います。まだまだ日本ラグビーは強くなれると信じています」
日本代表は今大会、2勝2敗で戦いを終え、日本ラグビー協会の土田雅人会長もコメントを発表。
「スタジアムで応援いただいた皆さま、また全国で実施されたパブリックビューイングやテレビ中継を通じ日本からエールをお送りいただいた皆さま、熱いご声援を誠にありがとうございました。今日の試合に全身全霊で臨んだ日本代表ですが、素晴らしい実力を見せたアルゼンチン代表に力及ばず、決勝トーナメント進出を叶えることができませんでしたことを、真摯に受け止めております。2大会連続でのベスト8入りの実現はなりませんでしたが、本大会を通じて、選手たちのハードワークに裏打ちされた日本ラグビーの進化を髄所に確認できたことは誇りであり、チームの努力を称えたいと思います。ここまで日本チームを率いてくれたジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチに敬意と感謝を表し、またここに至るまで選手やスタッフを支えて下さったご家族、関係者、そしてファンの皆様に重ねて御礼申し上げます。私共は、ラグビーワールドカップの舞台で日本代表が頂点に立つことを目指して、世界への挑戦を続けてまいります。成長を続けるラグビー日本代表を、今後とも応援くださいますようお願いいたします」