豪州が準々決勝進出へわずかな望みをつなぐ。エディー・ジョーンズ「我々はまだ生きている」
ラグビーワールドカップ2023フランス大会のプールCで2敗を喫し、初めて8強入りを逃す可能性が高いオーストラリア代表は、現地時間10月1日にサンテティエンヌでおこなわれた同組最終戦でポルトガル代表を34-14で下し、準々決勝進出へのわずかな望みをつないだ。
世界ランキング10位のオーストラリアは同16位の格下相手に、タックルミス29回、雑なプレーもあり、規律も悪くイエローカードを2枚受け、スクラムで劣勢だったシーンも何度かあった。
ペナルティゴールで先制したオーストラリアだが、最初のトライを挙げたのはポルトガルだ。前半12分、ゴール前のスクラムで押し勝ちアドバンテージを得ると、連続攻撃でゴールドジャージーを揺さぶり、FWが中央付近でディフェンダーを引き寄せたあとキャプテンのCTBトマーズ・アプレトンが右外に長いパスを通し、CTBペドロ・ビッテンクールが突っ込んでコーナーにフィニッシュした。
オーストラリアは、相手にイエローカードが出て数的有利となった時間帯に3連続トライで逆転したが、チームとしての締まりは悪く、60分(後半20分)に反則の繰り返しで1人が10分間の退出を命じられ、その2分後には交替で入ったばかりのCTBサム・ケレビが危険なプレーでイエローカード。オーストラリアは一時13人となった。
ワールドカップで2度の優勝を誇るオーストラリアに初挑戦のポルトガルは、最後ま積極果敢で、何度か得点を阻まれたものの、70分、ゴール前のスクラムで7人だったオーストラリアのFWパックを圧倒してNO8ハファエル・シモンイスがインゴールに押さえ、チーム2トライを決めた。
オーストラリアは計5トライでボーナスポイント付きの勝利を収めたものの、快勝とは言えなかった。
オーストラリアのエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、「若いチームで臨み、13人になった時間帯もあったが、勇気を示し懸命に戦った。ディフェンスは頑張ったと思う。しかし、攻撃面では断片的だった。まだ自分たちの試合に熟練したエッジが欠けている。いいプレーもいくつかあったが、ボールを返すのが早すぎた」とこの試合を振り返った。
プールCでは、現在3勝0敗(総勝点14)のウェールズがすでに準々決勝進出を決めている。残り1枠で、オーストラリアは2勝2敗(総勝点11)としたが、2勝1敗(総勝点10)であと1試合を残すフィジーが10月8日の最終戦(対ポルトガル)で負けてもボーナスポイント(7点差以内の負け/4トライ以上なら勝点1)を獲得すれば、直接対決でオーストラリアに勝っているフィジーが2位となる。
ジョーンズ ヘッドコーチは、「我々はまだ生きている。準々決勝に進出できると思っているので、3日間休んで、そのあと3日間トレーニングする予定だ」と述べ、次の日曜日のフィジー対ポルトガル戦を待つ。