早稲田 38-35筑波。ワセダがトップ狙うたくましさ見せる。筑波は着実な成長も「善戦」にとどまる
昨年は大学選手権決勝で敗れ、大田尾竜彦監督、伊藤大祐(示に右)主将のもと大学日本一を目指す早大が、序盤のヤマを乗り越えた。筑波との接戦を38-35で制して開幕連勝とした。
9月24日、早大は東京・秩父宮ラグビー場で関東大学対抗戦の2戦目を迎えた。昨年5位、大学選手権4強の筑波大を3点差で退けた。
開始直後の筑波大は猛攻。50-50のボールを起点に自陣からランでゴール前まで攻めこむなど、SH白栄拓也、CTB堀日向太らのギャップ突破、つなぎで圧力をかけた。
しかし、先制はワセダ。フェイズのアタックでは着実に前進、連続攻撃で相手防御を崩し、密集での筑波の反則を引き出す。前半11分にはHO佐藤健次がラインアウトモールで先制トライをもぎ取った。セットプレーとモールアタックの優位を序盤戦で印象付けた。
前半19分には早大CTB13伊藤主将が、フェイズの中でSOの位置に入るなど、自在なアタックで自らトライを挙げた(14-0)。敵陣深くに作ったラック横のスペースをCTB岡﨑颯馬が抜け目なく突破、SH島本陽太が伊藤につないだプレーには、集中力の高さがうかがえた。筑波大もルーキーWTB飯岡建人をワイドに走らせるトライ、NO8谷山の虚を突くトライなどで反撃(14-14)。FW戦のビハインドを抱えながらも、一歩も引かない構えを見せた。
前半は21-21の同点で折り返したが、早大は後半の立ち上がりにFL村田陣悟、WTB福島秀法が連続でスコア、さらに26分にFL永嶋仁がトライ(G成功で早大38-28筑波大)。最後まで競り合いながら、後半2トライの筑波大を振り切り対抗戦序盤戦の注目対決を制した。
昨年は決勝で帝京に大敗、春からコンタクトの練習強度を高め積み上げてきた早大は、このゲームでタフネスを発揮。今年のワセダらしさの一端を見せた。
9月下旬も、この日の芝の上は夏の日差しと湿気が覆う厳しいコンディション。優位を保ったFWのセットプレー、ラックでのしつこいファイトなど、早大のアグレッシブさが後半に向かう時間帯に際立った。
ワセダでFW同様、闘争心を見せたのはルーキーFB、矢崎由高。キックを追い、時には堅実に戻り、エッジを走り、密集にも頭から突っ込むなどポテンシャル全開で勝利に貢献した。
筑波大は後半の連続失トライで攻守に力の差を示されたが、その後の踏ん張りが光った。リードこそ奪えないものの、10点差(後半11分)→3点差(21分のトライ&G)→10点差(27分)→3点差(31分のトライ&G)としぶとく戦った。改善を重ねているスクラム、精度に波のあるラインアウトの成長がシーズンの深まりに追いつくか。一気にエンジンをふかす爆発力あるアタックは今後が楽しみだ。
早大は10月1日に成蹊大、筑波大は同日、明大との対戦を控える。
(取材協力・大友信彦)
◎9月24日・大学の結果
関東大学対抗戦A
明治大 93-12 成蹊大
関東大学リーグ戦1部
法 大 52-19 日 大
東海大 45-21 大東大
関西大学Aリーグ
関西学大 49-34 立命館大
京産大 50-28 摂南大
近 大 31-17 同志社大
天理大 38-12 関大