国内 2023.09.12

ヤクルトがトップイーストA初戦を飾る。セコムに20-17

[ 見明亨徳 ]
ヤクルトがトップイーストA初戦を飾る。セコムに20-17
後半7分、ヤクルトPR古谷篤史がラインアウトから追加点を奪う。ガッツポーズ!(撮影:見明亨徳)


 リーグワン下部に相当する地域リーグの2023年度シーズンが始まった。トップイーストリーグAグループは9月9日、昨年度2位のヤクルトレビンズと4位セコムラガッツがセコムラグビーフィールドで対戦し、ヤクルトが20-17(前半5-3)で先勝した。両チームはともに2024年度シーズンから上位のリーグワンへ新規参入を希望しており、今季にかける思いは強い。

 試合開始わずか50秒でヤクルトが先制。セコムキックオフのボールを確保する。SOニック・イブミーが左へ走り込みボールをもらうと、そのままトライラインへ迫る。ラストパスを左WTB井波健太郎へ渡しトライを演出した。

前半9分すぎから10分間、セコムがヤクルトゴールへ迫るも得点できず(撮影:見明亨徳)

 7分、セコムが敵陣ゴール前5メートルのスクラムを押す。ヤクルトが反則し、セコムSOダニエル・ウェイトはPGを選択し蹴り込んだ。この後もセコムがヤクルト陣へ入りラインアウトからモールで押し込むもヤクルトが守り切る。インゴールに運ぶ寸前でノックオンもあった。
 セコムFL飯田光紀主将は「取り切るべきところで取り切れなかったのが敗因」と悔やむ。後半からピッチに立ったヤクルトの小川正志主将は「ディフェンスには自信がある」。
 前半の得点はこれだけだった。ヤクルトSOイブミーが33分にDG、35分は敵陣40メートルのPGを外す。最後はハーフラインからのPGを強引に狙うも追加点を奪えず。

 いやな雰囲気を取り払ったのはFW陣。後半7分、セコム陣左ラインアウトを押し込みPR古谷篤史がゴールラインへ押さえた。10-3。
 セコムの反撃は13分、キックリターンからつなぐと大東大出身のルーキー左WTB松田武蔵へ。「相手のディフェンスのスペースが空いているところへSOとコンタクトとって走りこんでいく」(松田)。そのまま左中間を走り抜けインゴールへ入ると中央へ豪快にダイブした。コンバージョンも決まり10-10と試合を振り出しに戻した。

 しかし、試合を決めたのはセコム山賀敦之スタッフが「きょうは彼にやられた」というSOイブミー。19分、セコム陣22メートル、セコムボールのライアウトボールを奪ったヤクルトがイブミーへ渡すとインゴールへ運んだ。コンバージョン成功、6分後にはPGも決めて20-10へ。

ヤクルトSOニック・イブミー。開始50秒の先制トライを演出。後半は自らもファイブポインターに(撮影:見明亨徳)

 セコムは試合残り3分で、松田のランをきっかけに最後は交代で入ったSH高橋香成が右中間へトライするも、ヤクルトが20-17で終えた。

 ヤクルトは次節休みで、9月24日に横河武蔵野アトラスターズ戦。セコムは17日に昨年度優勝の東京ガスとあたる。「取り切れる準備をする」(セコム・飯田主将)

 リーグワン加入への思いについてヤクルトの小川は「今季にかける思いは社員選手、プロ選手、別のチームから来てくれている選手と一人ひとり違うかもしれません。優勝することはぶれていない」。セコムの松田も「優勝してリーグワンでプレーしたい。(リーグワンの)大東の仲間と戦いたい」。優勝の先に次にステージがあることを自覚している。

セコムルーキーWTB松田武蔵がランで切り込む。後半1トライ、最後のトライにも絡む(撮影:見明亨徳)

 トップイーストリーグAからリーグワン新規参入申請をおこなっている秋田ノーザンブレッツは東京ガスと対戦し、後半残り8分で16-30とされたが、残り2分で2トライ2ゴールを決めて14点を奪い、30-30と引き分けに持ち込んだ。同じ立場のトップイーストB、日立Sun Nexus茨城は17日にクリーンファイターズ山梨と今季初戦を迎える。

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