海外 2023.08.30

豪・NSWクラブ選手権でランドウィックが優勝。セカンドグレード優勝のシドニーユニでは木下(元宗像サニックス)が出場

[ YASU TAKAHASHI ]
豪・NSWクラブ選手権でランドウィックが優勝。セカンドグレード優勝のシドニーユニでは木下(元宗像サニックス)が出場
シュートシールドのタイトルが始まったのは1923年。クラブチームのコンペティションは1874年からある。(撮影/YASU TAKAHASHI)
セカンドグレード優勝のシドニーユニ。(撮影/YASU TAKAHASHI)
ランドウィックを優勝に導いたアンドリュー・ディーガン。(撮影/YASU TAKAHASHI)
シドニーユニでプレー中の木下皓太。(撮影/YASU TAKAHASHI)



 オーストラリア・NSW州のクラブラグビー選手権「シュート・シールド」(Shute Shield)のグランドファイナルが、8月26日(土)、ライカート・オーバルで行われ、ランドウィックがノーザン・サバーブス(以下、ノース)を17-15で下し王座に輝いた。

 ランドウィックはオーストラリアのクラブの中でも、数多くのワラビーズを輩出し、最も成功しているクラブの一つ。しかし、シュート・シールドのタイトルは2004年以来遠ざかっていた。

 レギュラーシーズンの首位はノース。ランドウィックは勝点ではノースと同ポイントながら2位となり、今シーズンの直接対決では1勝1敗。まさに互角と言える両者が順当に決勝まで勝ち上がり決着をつけることとなった。

 その試合、先手を取ったのはランドウィック。12分にノースゴール前のペナルティからタップアンドゴーで、FWがディフェンスを突き破りグランディング。ゴールも決まり7-0とした。

 その後両者共にPGを決めて10-3とするが、ノースはハンドリングエラーなどにより、なかなかリズムに乗れない状態が続いた。

 そして36分にはハーフウェイライン付近から展開したランドウィックが、テンポよくフェイズを重ねる。ゴール前に迫ったところで、今年まで栗田ウォーターガッシュ昭島でプレーしていた司令塔、アンドリュー・ディーガン(SO/1トライ含む12得点の活躍)が抜け出してトライを奪った。

 自らのゴールも決まり17-3のランドウィックのリードで後半へ折り返した。

 後半は一転、ノースの猛攻が続いた。
 44分(後半4分)、ランドウィックゴール前のラインアウトからノースのFWが一気に押し込みトライ(G成功 17-10)を奪い返す。

 55分(後半15)には自陣でWTBへのキックパスが決まり、それをサポートしたジュニア・ワラビーズのヘンリー・オドネル(CTB)がゴールまで走り切った(G失敗 17-15)。

 ノースの激しいプレッシャーは続く。
 73分にはランドウィック陣22メートルライン上のスクラムよりペナルティを得たが、逆転となるこのショットは失敗となった。

 華麗な展開ラグビーを伝統とするランドウィックだが、粘り強いディフェンスで、後半は無得点のまま2点差を守り切り試合終了。19年ぶりに王者に返り咲いた。

 ランドウィックは、3rdグレード、4thグレードも優勝し、シュート・シールド100周年の節目の大会に名門復活を成し遂げた。

 ヘッドコーチを務めるのはスティーブン・ホイルズ。元ワラビーズで、2004年優勝時のメンバーで、選手、コーチの両方の立場で優勝を経験したことになる。

 2ndグレードによるコリン・ケアード・シールド(Colin Caird Shield)は、シドニーユニバーシティ(以下シドニーユニ)が優勝。この決勝戦では、元サニックスブルースの木下皓太(SH)が出場した。

 木下はチームメイトであった元ワラビーズのパディー・ライアン(リコーブラックラムズ)の勧めで、今年のプレシーズンよりシドニーユニに所属。シーズン序盤より2ndグレードで先発出場していた。

 終盤は3rdグレードでプレーし、2ndグレードでは毎試合リザーブに入っていた。
 この日のマンリーとの決勝戦でもフィニッシャーとしてメンバー入り。試合終盤からの出場であったが、歓喜のホイッスルをチームメイトともにピッチで聞いた。

 目標であったシュート・シールド出場は叶わなかったが、充実したシーズンを過ごした。

【Shute Shield 2023レギュラーシーズン最終順位】
①ノーザンサバーブス(Northern Suburbs)
②ランドウィック(Randwick)
③イーストウッド(Eastwood)
④マンリー(Manly)
⑤ゴードン(Gordon)
⑥ハンターワイルドファイヤーズ(Hunter Wildfires)
⑦トゥーブルース(Two Blues)
⑧シドニーユニバーシティ(Sydney University)
⑨ウェストハーバー(West Harbour)
⑩イースタンサバーブス(Eastern Suburbs)
⑪ワリンガ(Warringah)
⑫サザンディストリクツ(Southern Districts)

【NSW Premiership Competition 決勝結果】
◆Shute Shield(1st Grade)
Randwick 17-15 Northern Suburbs
◆Colin Caird Shield(2nd Grade)
Sydney University 38-24 Manly
◆Henderson Shield(3rd Grade)
Randwick 33-28 Eastwood
◆Henderson Cup(4th Grade)
Randwick 34-7 Manly
◆W.Mcmahon Memorial Shield(1st Colts)
Warringah 35-31 Sydney University
◆Shell Trophy(2nd Colts)
Eastern Suburbs 27-25 Warringah
◆Bill Simpson Shield(3rd Colts)
Manly 19-15 Eastwood
◆Gregor George Cup(Club Championship)
Randwick
◆Sydney Women’s Rugby / Jack Scott Cup
Easts 22-17 Sydney Uni


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