日本代表 2023.08.03

ラブスカフニが戦列復帰、フィジー戦の10番は松田。下川もベンチ入りでW杯代表アピールへ。

[ 編集部 ]
ラブスカフニが戦列復帰、フィジー戦の10番は松田。下川もベンチ入りでW杯代表アピールへ。
ワールドカップに間に合ったピーター“ラピース”・ラブスカフニ(撮影:松本かおり)


 5週間後に開幕するラグビーワールドカップ2023フランス大会へ向け、日本代表は今夏国内最後のテストマッチとなるフィジー代表戦に臨む(8月5日/東京・秩父宮ラグビー場)。過去4勝14敗と苦手にしている相手だが、出発する前に勝って弾みをつけたいところだ。

 今年初勝利となった先週のトンガ戦から先発メンバーは4人替わり、けがから回復した主将経験者のピーター“ラピース”・ラブスカフニが7番をつけることになった。

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 ベテランのリーチ マイケルがサモア戦(7月22日)での危険なプレーにより出場停止となっているなか、ラブスカフニの戦列復帰はチームにとって心強い。
 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「ラピースはとても経験豊富な選手で、前回のワールドカップでもチームをリードしてくれた。(所属する)クボタでの試合で負傷し手術したため、なかなか準備ができなかったが、戻ってきた。ワールドカップへ向けて価値のある選手だと思っている」と期待する。

 FW3列では、テビタ・タタフがトンガ戦で手を負傷。サモア戦で初キャップを獲得した福井翔大は同試合で頬骨に少しひびが入ったとのことで、指揮官は「リスクを取りたくないので、休ませている」と説明した。

 8月15日にはワールドカップスコッドメンバーが発表される予定だが、主力級でけがをしている選手が数人おり、LOのワーナー・ディアンズはフィジー戦も欠場となる。「ワーナーは昨日の練習で足首をひねってしまった。今週の試合に出てほしかったので残念だ」とジョセフ ヘッドコーチ。復帰までは2、3週間かかる見通しだという。また、トンガ戦で先発したヘル ウヴェは肩を痛め、いま練習には出ていない状態とのこと。

 しかしながら、2列と3列をカバーできる選手は多く、ジョセフ ヘッドコーチが「ベストルーキー」と評価するアマト・ファカタヴァが5試合連続の先発LOとなり、先週はベンチスタートだったジェームス・ムーアが4番をつける。
 4試合連続で6番を着るジャック・コーネルセンについては、「体も強いし、FWはフロントロー以外すべてカバーできる。頭はスマートで、ワークレートは高く、ラインアウトも中核としてやることができる」とし、さまざまなオプションで使える。

ラストチャンスをつかみ、フィジー戦2日前の練習でも元気な姿を披露した下川甲嗣(撮影:松本かおり)

 また、代表候補のひとりとして合宿に参加していたFL/NO8下川甲嗣がリザーブ入り。チャンスを与えたジョセフ ヘッドコーチは、「トレーニングキャンプ中もいい練習をしていたので、機会を与えた。彼のフィジカルの強さもしっかり評価しているし、存在をアピールしてもらいたい」と期待する。

 バックスでは、今季初戦で先発するも、その後3試合はリザーブに甘んじていたSO松田力也に再び10番が与えられ、司令塔としての存在感をアピールしたいところだ。
 WTBでは、浦安合宿中にけがをしたシオサイア・フィフィタはフィットネスが戻ってきている状態だというが、フィジー戦のメンバーには選ばれず、今夏の試合で安定したパフォーマンスを見せているジョネ・ナイカブラとセミシ・マシレワが連続で先発ポジションをつかんだ。2人はフィジー出身であり、母国の代表チームを相手とする特別な試合となる。

 そして、記念の日本代表50キャップ目となる松島幸太朗が15番をつける。

10番を取り戻して気合十分の松田力也(撮影:松本かおり)

 ワールドカップへ向けての重要なテストマッチ。ジョセフ ヘッドコーチは、「(今夏)これまで7週間半準備してきた。フィットネス、ストレングス、コンディショニングもすごくよくなってきている。しかし、勝ったトンガ戦では時どきスイッチオフが見られ、メンタルを維持できないところがあった。そこはしっかり改善していきたい。ワールドカップへ向けて、いい形でチームを作り上げているという感触はある。フィジー戦はタフな試合になると思うが、いい結果を出せるように頑張っていきたい」とコメントした。

▼日本代表 試合登録メンバー
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。

1.稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/47 caps)
2.坂手 淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/35 caps)
3.ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/24 caps)
4.ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks/15 caps)
5.アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京/2 caps)
6.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/14 caps)
7.ピーター“ラピース”・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/15 caps)
8.姫野 和樹(共同主将/トヨタヴェルブリッツ/27 caps)
9.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/13 caps)
10.松田 力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/31 caps)
11.ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/2 caps)
12.長田 智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2 caps)
13.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/12 caps)
14.セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ/3 caps)
15.松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/49 caps)

16.堀江 翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/70 caps)
17.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/11 caps)
18.具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ/23 caps)
19.下川 甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/1 cap)
20.ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6 caps)
21.流 大(共同主将/東京サントリーサンゴリアス/32 caps)
22.李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/8 caps)
23.中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス/33 caps)

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