新鋭BK長田が日本代表初先発。ヴァル、ガンター、タタフも戦列復帰でトンガ戦の奮闘期待

　ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが、7月29日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれるトンガ代表戦のメンバーを発表した。開幕まで50日を切ったワールドカップへ向け、強化は進んでいるものの、今夏の「リポビタンDチャレンジカップ」は3連敗中で、世界ランキングは12位にダウン。先週のサモア戦から先発メンバーは6人替え、元ニュージーランド代表や元オーストラリア代表も擁する世界ランキング15位の“イカレ・タヒ”から今季初勝利を狙う。

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　スクラムの鍵を握るフロントローでは、PRヴァル アサエリ愛が日本代表の3番をつけて今季初出場となる。また、代表候補選手として合宿に参加していたFLベン・ガンターに先発のチャンスが与えられ、同じくけがから回復したNO8テビタ・タタフはリザーブに名を連ねた。

　FW3列は、経験豊富なリーチ マイケルが先週のサモア戦で危険なタックルをしてレッドカードを提示され、数試合の出場停止処分が科される見通しとなり、ガンターらにチャンスが回ってきた。共同主将の姫野和樹はNO8にシフトする。
　ジョセフ ヘッドコーチは、「ルースFW（3列）は競争が激しいポジション。ガンターは昨夏のフランス戦でもすばらしいパフォーマンスを見せてくれたし、けがから戻り、テストマッチでどこまでできるか使ってみたい。ラピース（ピーター・ラブスカフニ）もけがから順調に回復しており、ジャック（3試合連続で6番をつけるコーネルセン）についても満足していて、選手層が厚くなってきている。いろいろコンビネーションを試してみたい」とコメントした。

　そのほか、先週はベンチスタートだったLOヘル ウヴェ、SH齋藤直人、CTB長田智希も先発のチャンスを与えられ、熊本でのオールブラックスXV（ニュージーランド代表予備軍）戦でトライを決めたWTBセミシ・マシレワは11番をつける。
　リーグワン2022-23で新人賞を受賞し、サモア戦で日本代表初キャップを獲得した23歳の長田にとっては、テストマッチで初めてのスターターとなる。
　その長田について指揮官は、「オールブラックスXV戦ですごくポテンシャルを示してくれた。テストマッチのプレッシャーに耐えられる可能性も見せてくれたので、スターターとして出るのにふさわしい選手だと思っている」と評価。同じCTBの中村亮土や中野将伍らと切磋琢磨しており、「パフォーマンスをしっかり継続してほしい」と期待する。

　また、同じくニューフェイスであるアマト・ファカタヴァは、所属するリコーブラックラムズ東京ではFW3列でプレーすることが多いが、今年初選出の日本代表ではLOで奮闘を続けており、4試合連続で先発を任された。トンガ出身ということもあり、今週末は特別な思いを持って臨むこととなる。
　ジョセフ ヘッドコーチは、「LOですばらしいパフォーマンスをしてくれている。ボールキャリーやワークレート、キックチェイスなど、試合でもしつこく頑張ってくれている。トンガ代表と戦うことは彼にとって特別だし、楽しみにしているようだ。試合に出続けているが疲れを見せていないので、自信を持って彼を使う。彼にとってはビッグゲームになると思う」と期待する。

　LOワーナー・ディアンズやWTBシオサイア・フィフィタなど、けがから戦列復帰していない選手も多いが、ワールドカップスコッドが発表される8月15日までに戦えるテストマッチはあと2試合。ジョセフ ヘッドコーチは「ワールドカップに臨むメンバーは、自分のなかでは80％ほど決めている」というが、チーム内の激しい競争は続いており、トンガ戦も注目となる。

▼日本代表　試合登録メンバー
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1．稲垣 啓太（埼玉パナソニックワイルドナイツ／46 caps）
2．坂手 淳史（埼玉パナソニックワイルドナイツ／34 caps）
3．ヴァル アサエリ愛（埼玉パナソニックワイルドナイツ／23 caps）
4．アマト・ファカタヴァ（リコーブラックラムズ東京／1 cap）
5．ヘル ウヴェ（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ／17 caps）
6．ジャック・コーネルセン（埼玉パナソニックワイルドナイツ／13 caps）
7．ベン・ガンター（埼玉パナソニックワイルドナイツ／5 caps）
8．姫野 和樹（共同主将／トヨタヴェルブリッツ／26 caps）
9．齋藤 直人（東京サントリーサンゴリアス／12 caps）
10．李 承信（コベルコ神戸スティーラーズ／7 caps）
11．セミシ・マシレワ（花園近鉄ライナーズ／2 caps）
12．長田 智希（埼玉パナソニックワイルドナイツ／1 cap）
13．ディラン・ライリー（埼玉パナソニックワイルドナイツ／11 caps）
14．ジョネ・ナイカブラ（東芝ブレイブルーパス東京／1 cap）
15．山中 亮平（コベルコ神戸スティーラーズ／28 caps）

16．堀江 翔太（埼玉パナソニックワイルドナイツ／69 caps）
17．クレイグ・ミラー（埼玉パナソニックワイルドナイツ／10 caps）
18．具 智元（コベルコ神戸スティーラーズ／22 caps）
19．ジェームス・ムーア（浦安D-Rocks／14 caps）
20．テビタ・タタフ（東京サントリーサンゴリアス／15 caps）
21．流 大（共同主将／東京サントリーサンゴリアス／31 caps）
22．松田 力也（埼玉パナソニックワイルドナイツ／30 caps）
23．松島 幸太朗（東京サントリーサンゴリアス／48 caps）