U20日本代表、世界選手権2戦目はウェールズに惜敗。後半14人で奮闘するも逆転負け。
南アフリカで開催されている「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2023」は、現地時間6月29日にプールステージの第2節を迎え、今大会黒星発進だったU20日本代表はステレンボッシュのダニー・クレイヴン スタジアムでU20ウェールズ代表と対戦し、前半をリードして折り返したものの、後半1人少なくなって逆転され、19-41で敗れた。
最初の20分間はウェールズが主導権を握った。序盤にペナルティゴールで先制し、17分にはラインアウトからのサインプレーが決まって日本のディフェンスを抜け、トライを挙げた。
雨の影響でハンドリング等が難しかったこの試合。日本は自陣で劣勢の時間が続いたが、21分、危険なプレーをしたウェールズの選手にイエローカードが出て、流れが変わった。
直後、敵陣深くに入った日本はラインアウトからのドライビングモールにバックスも加わって押しきり、HO長島幸汰(同志社大)がインゴールに押さえた。SO楢本幹志朗(筑波大)のコンバージョンも決まり、7-10となった。
1人少ないウェールズに反則が続くようになり、日本は31分にも敵陣深くに入ると、またもラインアウトからのモールで長島がトライゲッターとなり、逆転に成功する。楢本が貴重な2点を追加。
日本はさらに37分、相手のラインアウト失敗からボールを展開してバックスのゲインで敵陣深くに入り、テンポよくアタックを継続して楢本が右の広いスペースにクロスキックを放ち、WTB御池蓮二(立命館大)がタックラーをかわしてコーナーにフィニッシュ。
しかし、前半終了間際、日本は反則からウェールズにアタックチャンスを与えて5点を許し、19-15と4点差に詰められ折り返しとなった。
日本はこの試合、何度もスクラムで相手にプレッシャーをかけ、奮闘のフォワードが吠えてチームは活気づいた。
しかし、49分(後半9分)、キャプテンのCTB大町佳生(帝京大)が危険なプレーをしてしまい、イエローカードを提示される。そして、シンビンで退出している間、今大会で試験的に導入されているTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)バンカーシステムでテクノロジーと映像を活用してインシデントの検証がおこなわれ、カードは赤色に変わって大町はフィールドに戻れなくなった。
14人になった日本はハードワークを続け、60分にはWTB矢崎由高(早稲田大)の鮮やかなカウンターでチャンスになりかけたが、その後、サポート選手のパスが乱れて得点ならず。
そして65分、日本にエラーが出てウェールズにゴール前のスクラムを与えてしまい、数的有利の赤いジャージーはそのセットピースからボールを動かし、トライ。日本は逆転された。
1点ビハインドとなった日本は、その後、スクラムで奮闘してピンチを脱出したシーンもあったが、76分にも赤いジャージーに自陣深くへ侵入され、トライを奪われ点差が開いた。
リスタート後にもハンドリングエラーから相手にビッグゲインを許し、つながれ、連続失点。
流れを変えたウェールズは試合終了間際にもトライを追加し、19-41でノーサイドとなった。
U20日本代表の10番をつけた楢本は試合後、「フランス戦の敗戦(初戦 ●12-75)から、桜のマークのプライドを持ってやっていこうと話をして、それが存分に出た前半だったと思う。すごく誇りに思う」と振り返る。人数が少なくなっても自分たちのプランは変えず、キックでエリアを取りに行き、自信を持っているディフェンスでどれだけ奮闘できるかがキーポイントだった。敗れはしたが、残り3戦ある。司令塔は「しっかりジャパンのプライドを見せつけて勝ちたい」と力強く語った。
0勝2敗となったU20日本代表は、7月4日におこなわれるプールAの最終戦でU20ニュージーランド代表と対戦する。そのあとは、順位決定戦が待っている。