トップイースト春季大会3位はセコム。ヤクルトに逆転勝ち。
トップイーストリーグ(以下、TE)春季大会3位決定戦は、ヤクルトレビンズ(昨年度TE-A2位)がホームにセコムラガッツ(同TE-A4位)を迎え対戦した。
セコムは、前半終了間際に逆転してそのままリードを保った。ヤクルトの追い上げをかわした(40-35)。
前半5分、ヤクルトはセコム陣に入り、スクラムから継続。CTB古川拓実がトライを決めた。SO沢村舜がG成功。7点を先行した。
しかし3分後、セコムに好機が訪れる。ハイパントを上げ、ルーズボールとなったところを再確保。そのボールで攻め、最後は左WTB池松佑眞が仕留めた。SO菅原海人がGを丁寧に蹴り込み同点とした(7-7)。
セコムは4分後、追加点を挙げた。ヤクルトのラインアウト時のミスで、ボールを得たのがきっかけだった。
FB野口幹太へラストパスが渡り、右隅へ飛び込む。
22分にはラインアウト、ラックからチャンスを得た。FL中村亮介が持ち出して20メートル走り、取り切る。スコアを19-7とした。
しかし、ヤクルトも黙ってはいなかった。
ラインアウトを活かして攻めたのは29分だった。
左サイドから投入したボールを確保し、モールを組む。SH多田潤平が抜け出してインゴールへ入った。Gも成功して5点差に迫った(19-14)。
さらにリスタートのボールが乱れたところにつけ込む。攻撃を継続し、PR野崎伊織がポスト左へ入った。G成功でスコアをひっくり返した(19-21)。
点の出入りが激しい試合だった。
37分に加点したのはセコム。自陣に攻め込まれるも、WTB池松がインターセプトから約80メートルを独走。逆転トライを奪う。Gも成功で26-21となる。
前半終了間際、ヤクルトがPGで3点を加え、ハーフタイム前の得点は26-24。セコムがリードして最初の40分を終えた。
後半も互いの力は均衡していた。
3分、セコムがラインアウトを得る。それをきっかけに、主将でFLの飯田光紀がファイブポインターとなった。Gも成功し、33-24とした。
その直後のリスタート時、ヤクルトはPGを獲得し、SO沢村が決めてスコアを33-27とする。ただセコムも、相手のミスを見逃さなかった。試合再開後、CTB原口智也がトライを奪う。Gも決めて40-27とした。
後半、スクラムの場面ではセコムがヤクルトをめくりあげていた。「8人のパックで押し込む。必ずペナルティを取る」(飯田主将)と描いていたプラン通りにゲームを進めていた。
それでも試合はもつれた。
29分、セコムは相手ボールスクラムを押してターンオーバーするもノックオン。これをヤクルト側に拾われてトライを許す(FW中島涼介がポスト左へ)。Gも成功し、差を詰められた(40-32)。
38分にはゴール前のラインアウトから攻められ、反則をとられる。ヤクルト沢村にこの日3本目のPGを決められて40-35とされた。
しかし最後はラックでボールを奪い、ピンチから脱出。リードを保って試合を終えた。
セコムの飯田主将は、「スクラムで優位に立てた。準決勝(●26-44 vs 東京ガス)で出た規律面の課題を修正して臨んだ。秋につながる」と結果に満足した。
チームスタッフの山賀敦之さんも「8人のスクラムにこだわっている。ガスとの準決勝でもスクラムトライを奪えた」と自信を持つ。
スクラムの攻防に敗れたヤクルト。NTTドコモレッドハリケーンズ出身のFWコーチ張泰堉(チャン・テユ)は、「セコムの方が、スクラムで当たる瞬間のヒットが早かった。対応できなかった」と分析した。
春シーズン、韓国社会人チームのOK金融に加入し韓国リーグを戦った左PR谷峻輔は、後半から出場した。「チーム合流が遅れることへの不安はありましたが韓国へ行ってよかった。きょうは自分なりのプレーができていた」と話した。