スポーツのまち日立に、「見たことのない光景」広がる。会瀬スポーツ広場オープン記念イベント
「ラグビーのまち日立」を掲げる日立のラグビーファミリーが集結した。
5月27日、28日の2日間、会瀬スポーツ広場(旧・会瀬グランド)で会瀬スポーツ広場オープン記念イベントが開催された。
招かれたのは小学生から社会人トップレベル、不惑までほぼすべてのカテゴリー。招待試合は6試合あり、チアも花を添えた。27日だけで会場は2500人のラグビー選手、観客であふれた。
地元、日立サンネクサス茨城の選手は、記念試合に埋まる観客席を前に「こんな光景は初めて」と感激をあらわにした。トップイースト強豪の東京ガスとの試合は43-21の金星で飾った。地域のスポーツ、ラグビーの拠点の柿落としを祝う大きな勝利を、地元の市民、ラグビー関係者みんなで喜ぶことができた。
会瀬スポーツ広場は、行政が、地元企業と力を合わせ、市民のために作ったグラウンドだ。会瀬グランドと呼ばれていた施設の土地を、日立製作所が日立市に無償で貸与し、スポーツ庁の補助金を活用して日立市が新設した。
この補助金は2019年ワールドカップ日本大会を契機としてできたもので、ラグビーができる施設の整備に対して交付されるもの。コロナ時期にも関わらず市民を中心に5,584もの署名が集まった(2021年)ことをベースに、「市内で安全にラグビーを楽しめる環境を」と、市が8億3000万円超の事業費を投入した。
グラウンドは以前の土から、人工芝生に。夜間照明もついた。クラブハウスができ、駐車場も整備された。
式典で挨拶した小川春樹市長は「スポーツによるまちおこしを、さらに進めていく」と宣言した。
会瀬スポーツ広場は、サンネクサスのホームグラウンドとしても活用される。かつて日立製作所といえば社会人の強豪だった。日立一高は昭和後期に県内公式戦111連勝の記録も持つ名門。日立市はそのベースを生かして、子供からトップレベル、さらには不惑チームまでの生涯スポーツをラグビーでカバーできる貴重なまちになった(茨城県では唯一)。市の人口減少が続き、日立製作所ラグビー部は企業チームから一般社団法人に。世の流れの中で、まちににぎわいや元気をもたらすコミュニティとして、ラグビーはより大切なものになっていく。