国内 2023.05.01

東海大のハードヒッター。アフ・オフィナが日本で感じた「世界一」とは。

[ 向 風見也 ]
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東海大のハードヒッター。アフ・オフィナが日本で感じた「世界一」とは。
大学日本一を目指す東海大学のキープレーヤーのひとりであるアフ・オフィナ(撮影:向風見也)


 目標は簡潔だ。

「強い選手になりたいです。まだまだなので、これから…」
 
 アフ・オフィナ。今季の東海大ラグビー部副将で、卒業後も国内リーグワン1部でプレーするのを目指す。

 現所属先によれば、サイズは身長187センチ、体重113キロ。躊躇なく相手にぶつかるコンタクトの激しさは、来日当初に入った東海大福岡高にいた頃から定評があった。
 
 4月30日、関東大学春季大会・Aグループ初戦にFLで先発した。同じ関東大学リーグ戦1部に加盟する流経大に、茨城県内の敵地でぶつかる。

 チームは一時、スクラムで後手を踏むなど苦戦も、40-21で勝った。オフィナは向こうのNO8に入ったティシレリ・ロケティと激しくぶつかり合いながら、時折、接点周りのスペースを鋭く駆け抜けた。トライも決めた。

 個人技で光ったシーンについて聞かれ、「チームのおかげです」と目じりを下げた。

 トンガ出身だ。歴史的に、故郷からは多くのラグビーマンが日本へ留学する。最近では目黒学院中、高、東海大を経て東京サントリーサンゴリアスへ入ったテビタ・タタフが目立つ。日本代表として持ち前の突破力を披露し、来季はフランスのボルドー・ベグルに移籍する。

 オフィナは、自身より5学年上のタタフに面識がないうちから憧れた。自らも「その道に」と志していると、東海大福岡高へ誘われた。途中まで東海大にいたポロメア・カタとともに、異国に足を踏み入れた。

 福岡では、学内の「日本語の先生」に流ちょうな会話ができるようにしてもらえた。何より、母国と違ったスタイルで鍛えられた。

「朝7時からフィットネス(走り込み)オンリー。学校が終わってからの練習にもフィットネスがあります。僕のなかでは、高校が、世界一、走るのかなと思います!」

 2020年以降のウイルス禍の影響で、大学へ入学してから一度も故郷へ帰っていない。今季のオフは、久々に帰郷ができそう。秋に本格化するシーズンでは大学日本一になり、家族にいい知らせがしたい。

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