日野レッドドルフィンズが活動を無期限停止。昨年秋に不祥事、報告遅れに厳しい声も。
ジャパンラグビーリーグワンのディビジョン2に属する日野レッドドルフィンズが2月3日、活動の無期限停止を決定したと発表した。4日に予定されていた清水建設江東ブルーシャークス戦は中止となった。
日野レッドドルフィンズは今シーズン開幕前の昨年秋、合宿をおこなっていた大分県別府市の飲食店でグラスや備品を壊すなどトラブルを起こしていたことが、今週、週刊誌で報じられていた。
「ご迷惑をおかけすることになりました皆様に深くおわびを申し上げます。明日、試合が予定されていた清水建設江東ブルーシャークス様、ならびにファンの皆様、ジャパンラグビーリーグワンに関わる皆様、日野レッドドルフィンズのファンの皆様、および関係者の皆様にも大変なご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」
日野レッドドルフィンズは3日夕方に会見をおこない、志賀得一部長と田中勝利GM(ゼネラルマネージャー)が出席して謝罪。不祥事について、被害を受けた店側とあらためて確認したことを報告した。
「10月31日(合宿期間中の休養日前日)深夜に、先方様のお店に伺い、飲食をおこないました。その際、酒に酔い、服を脱ぐ、セクハラ行為をおこなう、酒・グラスなどお店の物品を破損する、他チームの名をかたる、という行為をおこないました。ラグビーというスポーツが遵守するインテグリティ(品位)の精神に反する断じて許されない行為であります」(志賀部長)
当時、その場にいたレッドドルフィンズのメンバーは、通訳1人を含め24名だったという。そのうちの7名が不適切な行動をおこなっていた。
週刊誌では、店側に最初300万円を支払い、追加で新たに300万円を請求されたと報じられていたが、志賀部長は、追加の請求はなかったと否定。「後日、先方様におわびをし、物品破損については第三者である業者様の見積もりに基づき支払いをさせていただきました」。支払った金額は明かさなかったが、その場にいた全員が負担したという。
また、問題行動を起こして店員から所属チームを聞かれた際、「三菱重工相模原ダイナボアーズ」と噓をついたと報じられていたが、これについては、「入店後、飲食中に店員の方との会話のなかでの行為であり、その場ですぐに訂正をさせていただいております」と説明し、迷惑をかけたダイナボアーズへも謝罪したという。
レッドドルフィンズは2020年にも、所属していた選手が違法薬物使用容疑で逮捕され、チームの活動自粛だけでなく、リーグ全体の試合が3節休止する事態に追いこまれた苦い経験があった(のちに、新型コロナウイルスの影響でリーグ不成立)。コンプライアンス(法令・規則遵守)やインテグリティなどの教育は徹底されたはずだったが、十分に浸透していなかったと言わざるを得ない。
田中GMは、「そういった教育を定期的に実施しながら、チーム、選手一人ひとりの意識を高めるということも実際にはしてきましたが、不十分だったと思っています」と反省した。
今回、別府での合宿終了後、東京に戻ってからチーム全員が集められ、起こした行為について、社会で言えば大変な大きな問題であること、ラグビー部の存続にかかわる問題であることが伝えられた。